Azure コスト削減における注意したい5つのポイント

はじめに

以前にAzureコスト削減にて有効な施策ランキングの記事を掲載しましたが、非常に多くのアクセス数があり、やはりAzure消費量の削減は需要として高まっているのかなと思います。この記事では、具体的な削減施策ではなく、コスト削減の進め方について注意しておくポイントを5つ紹介します。

まずはサマリとして以下が5つのポイントとなります。


前回記事と合わせてご参照頂けると幸いです。

Azure コスト削減に有効な施策をランキング形式で紹介!

 

1.コストを分析し、割合の大きいものから対応しよう

Azureはご存じの通り多くのサービスが存在しその上で多くのリソースがあり、あらゆる形式で課金が発生しています。そのため、Azure全体コストの中でどのサービスでいくらの料金が発生しているかは確認してみないと意外とわからないものです。
実際弊社にてお客様の環境を拝見すると、VMやディスクの料金だけでなくバックアップの費用や帯域の費用で大きな割合を占めているケースが少なくありません。具体的なコスト削減対応を進める前に、まずCost Managementを確認し、サービスネーム単位でコスト割合が大きいサービスを対象に削減作業を進めていきましょう。

コストマネジメント→コスト分析→累積コスト で確認できる

 

2.リソースの対応はまず”削除できないか”考える

Azureではコスト削減につながる機能が多く存在しています。ただし、手当たり次第にコスト削減の機能を実施すると、本来削除してよいリソースなのに、リソースの停止やサイズの変更をして満足してしまうケースがあります。

コスト削減効果が最も高いのは、当然リソースを削除する事なので、わかりやすいコスト削減機能に手をつける前に、「そもそもこのリソースいるんだっけ?」と言う観点を忘れないようにしましょう。

 

 

3.リザーブドインスタンスは諸刃の剣

コスト削減機能として知名度が高いリザーブドインスタンスですが、この知名度が危険です。上記”2”でも紹介した通り、リソースへの対処は適切な優先度に沿って進めないと、コスト削減効果は限定的になってしまいます。

リザーブドインスタンスは24/365で特定の性能で使い続ける場合には非常に有効ですが、逆に言うと、そうではない稼働時間で適用する場合、本当にRIが最もコスト削減効果が高いかは確認すべきです。例えば稼働日や稼働時間を限定した方が安くなるかもしれませんし、半年後に必要な性能が下がる可能性もあります。リザーブドインスタンスは長期で見た時に本当にコストメリットがあるか、しっかり見極めて利用するようにしましょう。

 

 

4.Savings Planは最後の手段

2023年にリリースされた日本語だと節約プランともいう機能ですが、この機能は他の最適化を全て完了してからにしましょう。この機能は割引のロジックが非常に複雑なため、他の削減施策と並行で利用すると、SavingsPlanの効果が見えづらいくなってしまいます。更に、割引効果もリザーブドインスタンス程は高く無い上に解約もできないため、慎重に利用すべきです。この機能もフル活用したいのであれば、場合によってはAzureベンダーに相談しながら利用することも検討した方が良いでしょう。

 

5.アイアントライアングル、コスト・スピード・スコープの関係を理解する

アイアントライアングル(Iron Triangle)は、FinOpsにおける「コスト」「スピード」「スコープ(機能とも言える)」の3つの要素を指すプロジェクト管理の概念です。この3つの要素は、プロジェクト管理においてトレードオフの関係にあり、一方を変更すると、他の要素に影響を与える可能性があります。

三者はトレードオフの関係にある


単純に無駄なものを削除する、停止するのであればこの概念の考慮外となりますが、VMの性能を落とすにしろ、ストレージの冗長タイプを落とすにしろ、Azureでコストがかかっていることは何らかの機能やスピードを担保しているケースがほとんどです。

もちろんコスト削減は重要な観点ですが、コストを落とす場合は機能やスピードに一定の影響をもたらすこと、また、逆にいえば機能やスピードを落とせばコストを下げられる、と言ったこの両面を加味しながら、コスト削減を進めることを認識しましょう。

 

おわりに

ここまで5つの注意点を紹介してきました。コスト削減機能は適切な順番で行わないと削減効果が2倍にも3倍にも変わります。削減を行う際にはしっかりと各種機能とリソース利用用途を把握してから行い、効率的にコスト削減を実施することが有効です。

とはいえ、日々の業務もある中でそこまで深いコスト削減ができない場合、外注する選択肢も有効です。
弊社では”Azureコスト最適化ソリューション“を用い、お客様のAzure環境のコスト削減、最適化を実現しています。これにより、リソースが不足しているお客様や、コストに関連するAzure機能の知見が十分でないお客様についても、スピーディかつ効果の高いコスト削減を実現可能です。ご興味ある方は是非お問合せください。

 

 

 

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