Azure 最新情報ピックアップ (2018年6月)

この記事は更新から24ヶ月以上経過しているため、最新の情報を別途確認することを推奨いたします。

直近で更新されたAzure情報の中で、より多くのお客様にメリットのある情報をピックアップしてお知らせします。

Azure Database Migration Service の一般提供を開始

これまでプレビュー版として機能提供されていた、Azure Database Migration Service (Azure DMS) が 2018/5/17 より GAされました。
Azure DMSは、最小限のダウンタイムで、様々な種類のデータベースを、クラウドに移行することができるサービスです。「様々な種類のデータベース」と記載していますが、現時点では、移行元データベースは「SQL Server」のみに対応している模様です。今後は、ソース データベースとして Oracle をはじめ Netezza や MySQL、PostgresSQL に対応していく予定です。

Azureへのデーターベース移行については複数のツールが提供されていますが、このAzure DMSは他の移行ツールと比較して、大規模なデータベースの移行に適しています。他のデータベース移行ツールとの比較について以下に記載します、

Azure DMS の優位性がなかなかわかり辛いのですが、各ツール毎の機能をまとめると以下となります。
Azure Database Migration Service (Azure DMS)
– SQL Server、Oracle、などのデータベースからAzure SQLデータベースおよびAzure SQL データベース Managed Instanceへの移行をサポート予定である
– 移行時にユーザーが実施するタスクを最小限に抑える
– 大規模な数のデータベース、サイズの大きなDBの移行に推奨されている

Data Migration Assistant (DMA)
– SQL Server 2005以降のバージョンにおける、Azure SQLデータベースへの移行をサポートする
– 移行に際しての互換性の問題を検出する
– 移行を実行する前に必要なタスクを確認する評価レポートを作成できる

SQL Server Migration Assistant (SSMA)
– Oracle、MySQL、SAP ASE、DB2、およびSQL Server 2008以降のバージョンにおいて、Azure SQL データベースへの移行をサポートする。

現時点では、移行に際して、サポートツールが複数存在し明確な使い分けが確立できていない状態ですが、今後、「DMAとSSMAの機能はAzure DMSサービスに統合されていく」という予定のようです。
詳細については以下にまとめられています。
Differentiating Microsoft’s Database Migration Tools and Services

・Azure DMS を利用したデータベース移行の流れ
Azure DMSを利用してデータベースの移行を行う場合、現時点では以下の流れで作業を実施します。Data Migration Assistant (DMA)を使用し、事前に評価・スキーマの移行を実施するというのがポイントです。
1.Azure上にSQLデータベースをデプロイ
2.DMAによる移行元データベースの移行評価(移行を妨げる問題がないかどうか確認)
3.DMAによるスキーマの移行を実施(スキーマのみを先に移行します)
4.Azure DMS インスタンスを作成
5.Azure DMS インスタンスで移行プロジェクトを作成
6.データ移行

具体的な手順については、以下がキャプチャ付きで非常に詳しいです。
Azure Database Migration Service を使って SQL Server を Azure SQL Database に持っていこう

・検証時に確認できた注意点などについて
1.Azure DMSのサービスはデプロイする際にAzure仮想ネットワークを指定しますが、このデプロイ先のAzure仮想ネットワークから移行元のデータベースへ接続できるように、VPNまたはExpressRoute接続が必須となります。

※Azure DMSサービスをデプロイすると、仮想NW、仮想NICも同時に作成されます

2.Azure DMSに対応しているリージョンについては以下から確認するようにしてください。現時点で東日本・西日本リージョンにも対応しています。
regional-availability

3.Azure DMSは2018年6月30日まで無料で使用することが可能です。小中規模データ移行のBasicプラン、大規模データ移行の汎用プラン、共に無料です。

Azure Database Migration Service、現時点では既存ツールのDMAを別途使用したり、移行元データベースが限定されていたり、と制約はありますが、Azureへの移行における統合されたサービスとして今後機能拡充が注目されます。

※2018年7月追記
DMSでAzure Database for MySQLへの移行が可能となったようです。詳細は以下リンクをご参照ください。
最小限のダウンタイムでの Azure Database for MySQL への移行

Global VNet Peering の一般提供開始

これまで、2つの VNet は同一リージョン内に存在する必要があるという制限がありましたが、この制限が無くなることによりプライベートネットワーク内にて別リージョンへデータの複製、データベースのフェールオーバー、災害復旧など様々なシナリオをリージョンを超えて対応することが容易に可能となりました。また、トラフィックがMicrosoft バックボーンを通過する為、帯域幅が制限されることはなく、低レンテンシ(遅延)での通信が可能となります。

なお、利用リージョンは、2018年5月の段階で全Azure パブリックリージョンで利用可能となっております。

・注意点
ドイツ、中国、Azure Government の各リージョンでは、Global VNet Peering サポートされていません。

管理ディスク(Managed Disk)仮想マシンのOSディスクスワップの一般提供を開始

今回のリリースにより非管理ディスクでの利用に限られていたOSディスクのスワップ(交換)機能が、管理ディスクでも利用可能となりました。
これまでは、管理ディスク仮想マシンのOSディスクのリストアは、仮想マシンの削除後、再度新規で構築する必要がありました。本機能では仮想マシンの再構築をせずに、停止のみでOSディスクのスワップ(交換)によるリストアが可能なため、システムドライブ内のOS・アプリケーションの不具合が発生した際に、複雑なネットワーク構成を持つ仮想マシンなどでも容易に復元することが可能となります。

OSディスクのスワップによるリストアは、下記の流れで作業を行います。

1. 仮想マシンのバックアップを行う
2. 仮想マシンのバックアップをVHDに復元する
3. VHDを管理ディスク化する
4. 復元前の仮想マシンを停止 (割り当て解除) する
5.復元後のディスクを復元前のディスクと交換する

【注意点】
Linux OS ディスク からWindows OS ディスクに切り替えるなど VM の OS の種類を切り替えることはできません。
本機能を利用するには、上記作業1、2にある通り、Azure Backupにてバックアップを取得する必要があります。

 

本記事の詳細につきましては以下リンクをご参照ください。

Azure Database Migration Service の一般提供を開始

Global VNet Peering の一般提供を開始

地域拡大:グローバルVNetピアリング

Managed Virtual Machines で OS ディスク スワップの一般提供を開始

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