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AppService においても、リージョン VNET 統合と NAT Gateway を用いることで送信 IP を固定することが可能になりました。
通常の AppService はスケールユニット (スタンプ) 毎に複数の送信 IP が割り当てられており、言い換えると自分の以外のユーザーと送信 IP は共有されています。これを避けるためには AppService Environment (ASE) を使用し、占有環境を作成する必要がありました。
参考URL:
Azure App Service の リージョンとスタンプ、IP アドレスについて
https://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/988510ce-86ce-4b2c-8091-56c2cdd33490/azure-app-service-12398?forum=Jpcie
しかし、2020年11月に (ASE ではない) 通常の AppService においても、リージョン VNET 統合と NAT Gateway を用いることで送信 IP を固定することが可能になりました。
設定手順は以下となります。
1.AppService にてリージョン VNET 統合を構成します。
2.すべてのアウトバウンドトラフィックを仮想ネットワークにルーティングするため、アプリの構成にて WEBSITE_VNET_ROUTE_ALL を適用します。
3.NAT Gateway をプロビジョニングし、VNET 統合した仮想ネットワーク・サブネットに設定します。
NAT Gateway と紐付くパブリック IP が送信 IP となり、NAT Gateway を使用することでインスタンスあたり128個の SNAT ポートが IP あたり 64,000個に拡張されることも利点になります。
参考URL:
アプリを Azure 仮想ネットワークと統合する
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/app-service/web-sites-integrate-with-vnet#regional-vnet-integration
NAT Gateway and app integration
https://azure.github.io/AppService/2020/11/15/web-app-nat-gateway.html
Azure App Service での断続的な送信接続エラーのトラブルシューティング
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/app-service/troubleshoot-intermittent-outbound-connection-errors
NAT ゲートウェイ リソースを使用した仮想ネットワークの設計
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-network/nat-gateway-resource#scaling