こんにちはDXソリューション統括部の村松です。
Azure Virtual Desktop(以下”AVD”)ではCitrixやHorizonといったサードパーティー製品との連携がサポートされており、弊社でもCitrix Cloud wth AVDやHorizon Cloud With AVDといったかたちでサービスを提供させていただきました。
その中でもHorizon Cloudにおいては、Horizon Cloud Next-Genとして大まかはアップデートが行われ構成面を含め仕様が大幅に変更となりました。
今回はもとのバージョン(Horizon Cloud)からHorizon Cloud Next-Genとなっての主な変更点をご紹介します。
※従来のHorizon Cloudについては以下の記事を参照ください。
Citrix CloudとHorizon CloudのWith AVDにおけるアーキテクチャ構成の違い
Horizon Cloud on Azure展開時の主なつまずきポイント
Horizon Cloud Next-Gen(With AVD)の構成
以下がHorizon Cloud Next-Gen(With AVD)の構成になります。主な変更点は3つとなります。
変更点① セッションホストへのログインにSAML認証が必須化
従来ではセッションホストへのログインにSAML認証は必須ではありませんでした。
しかし、Horizon Cloud Next-GenではセッションホストへのログインにSAML認証が必須となるため、構成時にIDaaS製品との統合が必要となります。
現時点で、統合が可能なIDaaS製品はMicrosoftのMicrosoft Entra IDとOmnissa(旧VMware)のWorkspace One Accessの2つのみとなります。
セッションホストへのログインの流れは以下の通りになります。
変更点② セッションホストの仲介機能がHorizon Cloudの制御プレーンに統合
従来ではセッションホストの仲介および管理についてはIaaSのPod ManagerとPaaSのPostgreSQLで行われていました。
Horizon Cloud Next-Genでは、セッションホストの仲介の機能がHorizon Cloud制御プレーンに統合され、仲介時のセッションホストとHorizon Cloud 制御プレーンとの通信についてはPrivate Linkを用いて行われます。
またセッションホストの管理についてはAKS(Azure Kubernetes Service)で構成されたEdge Gatewayで行われ、セッションホストのメトリックの収集やHorizon Cloud制御プレーンを介してAzureリソースの操作を行います。
これによって従来よりもシンプルな構成になるだけでなく、Azureリソースの運用・管理コストが削減されます。
変更点③ マスターイメージの管理機能がAzure Compute Galleryと統合
従来ではマスターイメージからのセッションホストの展開については以下の通り、マスターイメージとなるVMのディスクからスナップショットを取得し、そこからOSディスクを生成してセッションホストを展開していました。マスターイメージとして利用するVMはセッションホストを展開するサブネット上に展開しておかなければならず、マスターイメージの数だけそのVMが増えてしまいサブネットの構成時にはその分の空きも考慮する必要がありました。
Horizon Cloud Next-Genでは、マスターイメージの管理がAzure Compute Galleryと統合されました。
これによりマスターイメージのバージョン管理が容易になり、Azure Compute Galleryから直接セッションホストを展開することができるため、サブネットにマスターイメージ用のVMを展開しておく必要がなくなります。
最後に
いかがでしょうか?Horizon Cloud Next-Genになって運用面、コスト面においてメリットな部分もありますが、
変更点①にもあったように利用者のセッションホストへのログインにSAML認証が必須になったなどお客様の要件によっては合わないケースもあるかと思います。
その場合はCitrix Cloud with AVDやAVDなど他の関連ソリューションも含めてご検討いただければと思います。
Horizon Cloud Nexr-Genについては以下の公式ドキュメントや関連ブログにも記載がありますので、こちらもご覧いただければと思います。
Horizon Cloud Service – next-gen Architecture
VMware Horizon Cloud Service next-gen とは?
以上 今回はここまでになります。また機会にお会いしましよう!