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こんにちはDXソリューション統括部の村松です。
既にご存知かと思いますが、Azure Virtual Desktop(以下”AVD”)はMicrosoft社の純正のDaaSとなります。
AzureのサブスクリプションとMicrosoft 365 E3(もしくはE5)がさえあれば、簡単に導入することができます。
もちろん、そのままでも十分な機能を備えていますが、Citrix社の”Citrix Cloud”、VMware社の”Horizon Cloud”
といった、仮想デスクトップ管理製品と連携させることで、マスターイメージ更新の簡略化、
独自プロトコルによる画面転送の最適化、詳細な電源管理といったことが実現できます。
そのため、これからAVDを導入しようと考えているお客様の中には、”Citrix Cloud”や”Horizon Cloud”
との連携も検討されているのではないでしょうか?
そこで、今回はCitrix CloudとHorizon CloudのWith AVDにおけるアーキテクチャ構成の違い、
および、それぞれの構成のメリット、デメリットについてお話できればと思います。
利用シナリオ
各構成の利用シナリオは以下の通りとします。
- 接続元 :社内/社外
- 認証経路:インターネット
- 認証方式:ID/Pass +OTP
- 画面転送:インターネット
Citrix Cloudのアーキテクチャ構成
まずは、Citrix Cloudのアーキテクチャ構成です。
この構成のメリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
- Azure上に構成が必要な管理コンポーネントはCloud Connector用の仮想マシン2台のみであるため、この部分のランニングコストはHorizon Cloudに比べて安く済む
※その他の管理コンポーネント(データベース、デリバリコントローラー、StoreFrontなど)はCitrix Cloud側にて実装される。)
デメリット
- Azure上に構成した管理コンポーネントの管理(※)は利用者側にて実施する。
(※)OSのパッチ適用、障害発生時の復旧、バックアップ、監視など
- コントローラーの役割を担うサーバ(Delivery Controller)が管理プレーン(Citrix Cloud)に構成されるためAzure側→管理プレーン(Citrix Cloud)間の通信が遮断されると、利用者は仮想デスクトップを利用できなくなる。
Horizon Cloudのアーキテクチャ構成
次は、Horizon Cloudのアーキテクチャ構成です。
この構成のメリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
- Azure上に構成が必要な管理コンポーネントの管理(※)はベンダー側(VMware社)で実施する。
(※)OSのパッチ適用、障害発生時の復旧、バックアップ、監視など
- コントローラーの役割を担うサーバ(Pod Manager)がAzure上に構成されるため、Azure側→管理プレーン(Horizon Cloud)間の通信が遮断されたとしても利用者は仮想デスクトップを利用できる。
デメリット
- Azure上に構成が必要な管理コンポーネントはPodマネージャ 2台,UAG 2台,PosgresSQL(PaaS)であるため、この部分のランニングコストはCitrix Cloudに比べると割高になる。
- 多要素認証を構成のするにはAzureもしくはオンプレミス側にWorkspaceOne Access Connectorが必要になる。
Citrix CloudとHorizon Cloudはどちらがいいのか?
上記の通り、どちらのアーキテクチャ構成にも一長一短があります。
そのため明確に「これを選ぶのが正解!」というのは正直なところ難しいところです。
(この記事を書いておいてアレですが…)
一つアドバイスするとすれば、製品選定をするにあたっては、「何を重視するか?」
を意識してはいかがでしょうか?
例えば、月々のランニングコストを重視するのであれば、Azure上で構成するコンポーネントが少ない”Citrix Cloud”が候補にあがるかと思います。
また、これとは別に耐障害性や可用性を重視するのであれば、コントローラーの役割を担うサーバ(Pod Manager)がAzure上に構成される”Horizon Cloud”が候補にあがるかと思います。
また、それ以外にも実際にPoC等で検証を行った上で製品を選定するお客様もおります。
弊社ではWith AVDにおいて”Citrix Cloud”,”Horizon Cloud”の両方で実績がありますので、
ぜひ製品選定前のPoC支援などのご相談もいただければと思います!
以上 今回はここまでになります。またの機会にお会いしましょう!