はじめに
過去の記事でFinOpsを進める場合の障壁やその解決策について紹介しました。
その中で、FinOpsを推進するにはCIO/CTOが仕切って進めることが良い、と言う内容があり、この部分については社内の反響もあったため、もう少し深堀してこの点について記載したいと思います。
なお、FinOpsの過去の記事を基に基礎や関連知識を理解したい方は以下記事をご参照ください。
・AzureにおけるFinOpsへの取り組み【2023年版】
・FinOps 成熟度モデル(Maturity Model)を理解する
CIO/CTOとは
基本的な話ですがまずCIO/CTOがどんな役職か、から紹介します。
CIO(Chief Information Officer)とは、企業や組織で情報技術(IT)部門を監督する責任者のことで、ビジネス目標を達成するために必要な技術戦略を策定し、ITプロジェクトを管理することがメインのミッションです。
一方、CTOは、技術の戦略的な方向性を担当する役職で、新しい技術やイノベーションを導入し、企業の競争力を高める役割を果たします。技術のトレンドや革新を追跡し、それをビジネス目標に結びつけることに注力します。
CIOは組織やプロジェクトに重きを置いており、CTOは技術に重きを置いているイメージです。とは言え、どちらもビジネスと技術の両面で企業をサポートし、事業価値を最大化する、と言うミッションにおいては共通しており、まさにこの点がFinOpsを主導すべき理由とつながります。
CIO/CTOが主導すべき理由
FinOpsを主導するために、CIOやCTOが指揮を取ることが重要な理由は以下3つが挙げられます。
ビジネス目標と技術戦略を統合できる
第一に、CIO/CTOは企業の戦略的な目標を理解しており、その目標を技術投資に結びつける能力を持っています。CIO/CTOはビジネス目標と技術戦略の間のパイプラインを確立し、FinOpsを通して技術の効率性と財務的な成果を最大化します。たとえば、新しいコスト関連技術やテクノロジーの導入・既存のシステムの最適化を通じて、顧客エクスペリエンスを向上させることができます。
技術と財務の知識の活用
第二に、CIO/CTOは技術と財務の両方の知識を兼ね備えています。彼らは技術のコスト構造やリソースの効率性を理解し、それを財務目標に結び付けることができます。これにより、組織は適切なリソースを適切なタイミングで最適化し、無駄な費用を削減することができます。
組織全体でのリーダーシップを有する
最後に、CIO/CTOは組織内で高い責任と権限を持っています。彼らは技術リソースの活用とコスト管理に対する責任を有しています。そのため、FinOpsのプロセスを主導し、組織全体で財務的な透明性と効率性を実現するためのリーダーシップを提供することが権限面、能力面で可能なのです。このようなリーダーシップのもとで、組織は適切な組織体制とリソースを持ち、ビジネスの成長と競争力を維持することができます。
無料でAzure環境を分析!
コスト削減案と想定削減金額をレポートします。
毎月先着3社様限定キャンペーン実施中。
ご興味ある方は左の画像リンクから是非お申し込みください。
CCoEでも良いの?
クラウドに特化した組織として、CCoE(Cloud Center of Excellence)が挙げられますが、CCoEではCIO/CTOの代わりにはなり難いと言うのが正直なところです。CCoEでもFinOpsの主導にマッチする部分はありますが、以下の点に注意する必要があります。
・技術の統合とシステム全体の視点の欠如:CCoEは特定の技術領域に特化しており、システム全体の視点を持つことが難しい場合があります。特にCCoEはインフラ的な観点に集中しており、アプリ観点が抜けていたりすると、全体的なシステムの調整が困難になる可能性があります。
・経営、財務観点知識の欠如:CCoEはあくまでクラウド技術に特化した組織であるため、FinOpsにおいても重要な財務、経営の観点をミッションとしては有していません。そのためかけている観点については参画しているメンバーと連携する必要があります。
・コミュニケーションの課題:CIO/CTOが組織全体を代表し、技術戦略を調整する役割を果たしている一方で、CCoEは特定の領域にフォーカスした組織となります。そのため、組織内でのコミュニケーションや調整において、一貫性や効率性に欠け、CIO/CTOのようなリーダーシップが持てない可能性があります。
まとめると、CCoEはクラウド技術部分においてFinopsに通ずる部分があるものの、それ以外の部分でまだ足りない能力や知見も多いため、やはりCIO/CTOによる主導がベストだと考えられます。
おわりに
このように記載すると、やはりFinOpsは文化であり、組織全体と戦略に大きく関係するため、CIO/CTOと言った権限が上位であり、かつ戦略も把握しているポジションが主導することが望ましいと改めて思います。
勿論現場から声を上げることも非常に重要ですが、トップダウンによるメリットも非常に大きいためご参考にしてください。
パーソルクロステクノロジーでは、Azure環境におけるFinOpsのフレームワーク導入の支援を行っております。
また、FinOps導入の前に、まずクラウドコストを削減・最適化したい、と言った要望にも対応可能で、多くのお客様に満足頂いています。
ご相談は無料ですのでお気軽にご連絡ください。
無料でAzure環境を分析!
コスト削減案と想定削減金額をレポートします。
毎月先着3社様限定キャンペーン実施中。
ご興味ある方は左の画像リンクから是非お申し込みください。