Windows Virtual Desktop における高可用構成(地理冗長構成)

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Windows Virtual Desktop (以下、WVD)の標準的な構成はこの様になっています。

管理プレーンはマイクロソフトが管理しており、いくつかのリージョンに展開されて冗長化が図られています。
一方、VM(Windows 10)やユーザープロファイルは冗長構成を取ることで、より災害・障害に強い構成となります。

高可用構成

以下のような構成を取ることで、仮にいずれかのリージョンに問題があっても片方さえ正常であれば WVD を利用可能となります。
どちらのリージョンでも同じユーザープロファイルの VM が利用可能です。

WVD 構成におけるポイント

利用者にリージョンを意識させずに構成するには、RDS Tenant、Hostpool を同一にすることで複数のリージョンに跨っていたとしても UI 上は一つに見せることが可能です。
一方、あえてリージョンを意識して使ってもらうには RDS Tenant または Hostpool を分けることで任意のリージョンに展開された VM にアクセスすることが可能です。

ユーザープロファイルの冗長化はこちらの記事を参考に、Cloud Cache Locations に複数指定することで可能です。
FSLogix 仕様上、最大4つのリージョンに渡って冗長化を取ることが可能です。

Blob を利用する場合、冗長オプションは LRS(一つのリージョンで3重化)で問題ないかと思います。少なくとも Premium(SSD) では選択肢は LRS のみですが、心配不要です。
FSLogix によって複数のリージョンに展開し、地理冗長を取りましょう。

仮に GRS や RA-GRS にしたとしても運用が大変になる上にパフォーマンスもやや落ちることが懸念されます。素直に LRS で最大のパフォーマンスを享受するのが無難です。
以下、Azureの仕様です。

ストレージ アカウントあたりの最大イングレス(米国とヨーロッパ以外のリージョン) :RA-GRS/GRS が有効な場合は 5 Gbps、LRS/ZRS の場合は 10 Gbps

注意点

VM の命名規則はリージョンごとに変える必要があります。
これは VM が展開される際に可用性セット内に VM が展開されることになり、VM 名に従った可用性セット名が付けられるため制約となります。

まだ試したことはありませんが、Azure ポータルから作成するのではなく PowerShell で手組みすることでその制約を回避したり、可用性ゾーンに展開することもできるのではないかと考察します。

運用時の考慮事項

運用時のコストを抑えるために、セカンダリーとなるリージョンのVMは停止しておき、プライマリーのリージョンのモニタリング状況に応じて自動で起動するような構成を取ることで自動で DR される低コストな VDI システムが構築可能です。

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