はじめに
コスト削減方法としてSavings Planがリリースされて暫く立ちますが、仕組みが難しいため、導入するメリットがあるのか、既存のReserved Instance (RI)との違いは何かわからないことが多いと思いますので、Savings Planについて紹介します。
Savings Plan(節約プラン)とは
1年分または3年分の料金を先払いすることにより、VM、App Service等の一部のコンピューティングサービスを、割引価格で利用できる料金モデルです。
Savings Planの仕組み
割引のロジック
コンピューティングサービスの1時間あたりの使用量(金額)が、ユーザーが設定した金額に達するまでは、割引価格(従量課金制の価格より安い価格)で利用できます。
ユーザーが設定した金額を、コミットメント額といいます。
コミットメント額を超過した際は、従量課金価格で請求されます。
反対に、1時間あたりのコンピューティングサービスの総使用量が、設定したコミットメント額未満の場合でも、設定したコミットメント額は支払う必要があります。
割引
最大65%の割引となります。
詳細は、下記リンク記事を参照ください。
Savings Planの割引き率について
https://cloudsteady.jp/2023/08/14/71271/
Savings Planの割引適用は割引率の高いリソースから優先的に提供されます。
そのため、割引率の異なるVMなどを複数利用している場合は、割引率の高いVMから適用されます。
対象サービス
節約プランの対象となるコンピューティングサービスは、以下の通りです。
①Virtual Machines ※
②Azure Dedicated Host ※
③Container Instances
④Azure Premium Functions
⑤Azure App Services ※
※:一部制約あり
コンピューティングの Azure 節約プランとは – Microsoft Cost Management | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/cost-management-billing/savings-plan/savings-plan-compute-overview
節約プランの範囲
節約プランは、ニーズに応じてスコープを設定可能です。
設定可能なスコープは以下のとおりです。
- 単一リソースグループをスコープとする節約プラン
- 単一サブスクリプションをスコープとする節約プラン
- 管理グループにスコープ指定された節約プラン
- 共有スコープ (複数のサブスクリプション) をスコープとする節約プラン
RIとの比較
RIと比較したメリット
- リソースのサイズ変更も対応可能
- 節約範囲がリソースグループやサブスクリプション単位となるため、マルチリージョンで利用可能
RIと比較したデメリット
- RIより割引率が低い
- 交換やキャンセルが出来ない
Savings PlanとRIの推奨利用
Savings PlanとRIを組み合わせて利用することを推奨します。
安定的かつ継続的なワークロード(サイズ、リージョンの変更予定がない)に対しては、RIを適用し、
動的なワークロード(サイズ、リージョンの変更がある)に対しては、Saving Planを適用することで、それぞれのメリットを最大化することが可能です。
おわりに
Savings Planの登場でAzureのコストを削減できる手段が増えました。
RIとの併用など適切に利用することで、Azureのコストを大幅に削減することも可能ですので、コスト削減方法の一つとしてご検討・ご活用ください。
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