Microsoft Copilot for Securityの機能と課金の仕組みについて

はじめに

Microsoftが提供する生成AI機能Copilot、皆さんはもうお使いになられたでしょうか。
Azure内でAzure OpenAI Serviceが利用できていたり、Microsoft365でもCopilotが使えたりと日々Microsoft製品との連携が進む中で、日本語は言語特性によるものか若干リリースが遅れていますが、遠くない未来、日本語でも柔軟に利用でき、皆さんの業務が効率化されることでしょう。
この記事ではCopilotの中でも、一応日本でも利用可能な「Microsoft Copilot for Security(以下Copilot for Security」について、概要と課金の仕組みを紹介していきたいと思います。

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Copilot for Securityとは

Copilot for Securityは、Azure内で利用可能な機能で、英語や日本語などの自然言語によるセキュリティとコンプライアンスに関連した質問や分析依頼をCopilotにて回答・対応してもらえる機能です。
いわゆるChatGPTの様なものをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
例えば「今のサブスクリプションでインターネットからのインバウンド通信においてポートx番が空いているVMを教えて」「x月y日~z日までの間で攻撃が疑われるログインは何件あった?」と言った質問に対して言語による回答や実際のデータを提供してくれます。
Copilot for Securityを利用する場合、Azure上でサービスを構築しますが、Copilotとのやり取りや過去の履歴はAzureポータル上にあるリンクからアクセスできる別の管理画面で利用します。

▲Copilot for Securityの管理画面、Azureポータルからアクセスできます

 

Copilot for Securityの課金の仕組み

Copilot for Securityは前述で”ChatGPTの様な”と記載しましたが、課金モデルは、実際のChatGPTや、Azure OpenAI Serviceとは大きく異なります
ChatGPTはサブスクリプション型の毎月固定費用となり、Azure OpenAI Serviceは入出力の自然言語のトークン数(文字数とは異なるのですが日本語の場合文字数に近い)と呼ばれる情報量とモデルの性能によって決まる従量課金型であるのに対し、Copilot for Securityは質問を処理するSCU(Security Conpmuter Unit)の稼働時間に応じた金額となります。SCUはなかなかお高い値段で、1SCUにつき1時間で4$、1ヶ月で2920$(1$=150円換算で43.8万円)と検証でもためらう金額となります。SCUは1~100個まで構築可能で、数が多いほど処理性能は向上しますが、当然SCUの金額×個数となるので、とりあえず10個、と言った調子で作ると課金で大打撃をくらうので注意しましょう。このようにSCUの稼働時間で料金が決まるため、その間に投げた質問数や情報量は課金に影響はしません

▲Azure上でSCUはこの様に表示されます、関連リソースはこれのみです

 

Copilot for Securityの料金を抑えるポイントは?

Copilot for Securityを使いたい、けれでもコストはできるだけ抑えたい、と言う場合、以下2点の使い方を意識しましょう。

まずは少ないSCUで構築する

まずSCUの数は極力少なく、可能であれば1SCUで使ってみることをお勧めします。1SCUの場合処理性能は低く、質問の回答速度や応答がない場合なども発生しますが、使えないことは無いですし、常に質問を投げ続けることも少ないと思いますので、まずは1SCUで運用に耐えるかをお試しいただく形が良いでしょう。SCUの数は作成後に増やすことも減らすこともPortal上で簡単にできるため、無理に多くのSCUで構築する必要はありません。

応答が無くてもあきらめない

Security for Copilotは日本語対応が不十分であることもあり、処理性能を超えると応答速度の遅延、応答不能となることがあります。ただ、これは数回質問すると全く質問を変えなくても回答が返って来る場合もあるので、応答が無かったらすぐSCUを上げる、ではなく、できるだけ少ないSCUで粘ってみる、と言うのもコスト面では有効でしょう。

使い終わったら削除する

SCUはVMの停止の様な課金を停止する仕組みはありません。存在している限り質問をしてもしなくても料金は発生するため、質問しない時間に課金を止めるには削除しかありません
ただし、削除したとしても、過去に行ったやり取りの履歴は90日間は閲覧できるため、再度使いたいときに構築する手間が問題なければ一旦削除することはそこまでリスクはありません。小さいデメリットとして、SCUを削除した場合、過去の質問や回答を踏まえた質問「前の質問の回答リストの中から直近1週間のものを抽出して」と言った質問はできないことは覚えておきましょう。

 

よくある気になる質問

ここで、おまけとしてSecurity for Copilotに関してお客様から聞かれるよくある質問を以下紹介します。

日本で使えるの?(2024年10月時点)

2024年9月時点で日本リージョンでは構築できない為、米国などのリージョンで構築が必要となりますが、その場合も日本語での質問・回答は可能です。調査対象のVM等のリソースが日本リージョンのものでも問題ありません。
ただし、Copilot for Securityに関してAzureサポートを使う場合、日本語対応していないので英語でのやり取りになること注意しましょう。

どんな質問も受け付けられるの?

Copilot for Securityは基本的にセキュリティ、コンプライアンスに関連した質問の回答しかできません。ただし、この定義がなかなか難しく、全く無関係な質問であれば対応不可なのですが、「VMの安全な構築方法を教えてください」等広範かつグレーな質問もでき、Copilot側も内容に応じてできるだけ回答してくれるので、この辺りは使いながら把握していくと良いです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。Copilot for Securityは便利な機能ですが、まだ日本語対応が十分でない点や料金が高額である事、またこの記事では紹介しきれませんでしたが、SCUロールオーバーと言う処理のバースト機能の様なものも存在しているなど、利用においては注意と調査が必要です。
記事に記載した通り、スモールスタートで使ってみて、必要に応じ性能や稼働時間を調整していく”クラウドの基本”の使い方を意識しましょう

弊社ではAzureコスト最適化ソリューションを展開しており、Security for Copilotの最適なコストでの使い方やノウハウも有しています。Security for Copilotに限らず、Azureコストについてご相談などあればご遠慮なくご連絡ください。

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