はじめに
Windows Server 2016はメインのサポートが終わり、延長サポートの終盤に差し掛かっています。延長サポートが終わると、毎月のセキュリティ更新が提供されなくなり外部からの攻撃ターゲットになりやすく、かつ防御手段が限定され非常にセキュリティリスクが高まります。そのため、対応として「ESU(延長セキュリティ更新)を使う」、「新しいOSに入れ替える」、「Azureへ移行する」等の方法を検討する必要があります。
本記事では、現時点で分かっているWindows Server 2016 ESUの情報を整理しつつ、今取れる選択肢を分かりやすく紹介します。サポート終了まで期限は短いですがまだ間に合います。特にAzureへ移行するメリット(運用や事業の“伸びしろ”)については、メリットも大きく手厚めに解説します。
1.Windows Server 2016 ESUの情報まとめ(2026年3月時点)
ESUとは
ESU(Extended Security Updates)は、延長サポート終了後に重要・重大な脆弱性に対するセキュリティ更新を有償で提供するプログラムです。機能追加や品質改善は対象外となり、追加設定や機能拡張ではなく、あくまで「セキュリティ更新」に限定される点がポイントです。
タイムライン
- リリース(GA):2016年10月
- メインストリームサポート終了:2021年1月11日
- 延長サポート終了(Windows Server 2016 サポート終了):2027年1月12日
- ESUの開始見込み:延長サポート終了直後(詳細は公式発表を要確認)
(参考)Plan for Windows Server 2016 and Windows 10 2016 LTSB end of support
ESUの注意点
- 年次契約が一般的で、年を追うごとに費用が増加する傾向があります。
- セキュリティ更新の提供のみで、新機能追加やアプリの動作問題は対象外です。
ESUが発表されたものの現時点では不明確なことも多く、今の段階では対応を決めづらい状況です。
いまは“ESUで延命するサーバ”“OS入れ替えやAzure移行を始めるサーバ”を仕分けし、次の一手を決めるのが現実的です。
2.サポート終了を踏まえた3つの対応
2-1.現在の構成を維持しながらESUで延命
こんな方にお勧め
- サーバが業務と直結しており、短期間でのリプレースが難しい
- 特定ベンダー製品の制約やOSに依存したプログラムなどにより大きな改修が必要
良い点
- 直近の業務影響を抑え、移行準備の時間を確保できます
注意したい点
- 年ごとの費用が増えやすく、古い環境を維持する負担が重くなりがち
- 当然ではあるが、長期間維持される構成ではない
ESUは“延命”と割り切り、対象を最小限にするのがコツです。並行してOS入れ替えやAzure移行の下準備(棚卸し、依存関係の洗い出し)を始めましょう。
2-2.オンプレで新OSへ更新
こんな方におすすめ
- データを社外や海外に出せないなど、安易にクラウド利用ができず、保管場所のルールが厳しい
- 低遅延のSLAがある、既存設備の活用が必須など、社内運用や特定拠点での構成が前提である
良い点
- 現構成を維持しながら、長期的なサポート体制を再スタートできる
- 基本的に新ハードであれば性能や安定性が向上する
注意したい点
- 初期費用が大きくなりやすく、調達に時間がかかることがある、特にハードウェアの場合物価高騰の影響が反映されやすい
- 運用が維持できるが、逆に言えば効率化などの改善も見込まれない
ユーザー様の運用や前提を考える必要がありますが、将来的には柔軟性の高いクラウドへ移行しやすい構成(IDやネットワークの標準化)を意識しておくと今後の事業変化に合わせて対応がしやすくなると考えられます。
2-3.Azureへ移行
こんな方にお勧め
- 将来の拡張、海外展開、災害への備え、運用の自動化を重視したい
- 運用業務やコストの効率化を図りたい
良い点
- 必要に応じてすぐ増やせる、止まりにくい、復旧しやすい構成が構築可能
- 豊富なセキュリティ/コンプライアンス機能(Defender、ルール管理、ログの一元管理、監視など)を標準で活用可能
- 移行はリホスト、サーバの載せ替え、モダナイゼーション(アーキテクチャ単位の移行)等様々な対応方法から選ぶことができる
注意したい点
- Azureに即した設計の学習(ネットワーク、権限、セキュリティ、ルールづくり)が必要です
- 従量課金のため、コストの見える化と管理(タグやポリシーの運用)が欠かせません
当然Azureの知見は必須となりますが、今では弊社をはじめAzureベンダーも増え、また、Azure自体も使いやすくなっています。EOSの期限を考慮すると自力での対応は少し厳しいですが、まずベンダーやMicrosoft 社に相談し、情報収集の上で、具体的な進め方を検討すると良いでしょう、思ったよりも少ない負担で始められると思う方が多いはずです。
3.Azure移行で運用と事業の“伸びしろ”が広がる理由
次に、移行方法としてAzureを選択することで、単純なEOS対応だけでなくどんなメリットがあるかを紹介します。
システムを迅速に変更できる(俊敏性の確保)
必要なサーバや仕組みを短時間で用意でき、試してから本番に出すまでの時間をぐっと縮められます。また、既存のサーバの性能や設定変更も容易にでき、意外に見落としがちなのが、システムの削除/縮小をスピーディにできることは運用面でもコスト面でも大きなメリットになります。
セキュリティの強化が容易にできる(セキュリティ強化)
AzureではDefender for Cloudや、Azure PolicyやEntra IDを使った認証やIDの細かい権限管理、ログの一元管理、監視(Azure Monitor)など標準で高品質なセキュリティやガバナンスを強化する機能を多く有しています。特にDefenderシリーズにおいては、IaaSサーバに加え、ストレージ、データベース、IDなど各リソース毎に最適化されたセキュリティ機能を有しており、ブラウザ上の設定変更のみで有効無効を切り替えられるうえ、それがAzureの料金体系の中で利用できるため、ライセンス管理や経費処理も効率化できること間違いなしです。
変化可能なシステムになる(柔軟性の確保)
移行方法の柔軟性についてはAzure移行のメリットで触れましたが、クラウドの神髄はPaaS、SaaSやマネージドサービスといった柔軟性の高いアーキテクチャにすることでより恩恵を受けることができます。まずはサーバ単位の移行であるリホストを行った後でも、バッチやスクリプトの外出し、データベーススやWebサーバのPaaS化、と徐々に移行することが可能です。こういった作業は物理的な制約が無いため非常に円滑にできます。まずそういった変化可能な体制にできる、ということが最初の一歩であり大きなメリットと言えます。
特に外部環境の変化が大きい昨今、会社では事業の変化や進化、取捨選択をどれだけ社会に合わせて迅速に対応できるかが重要になっています。上げたメリットの中でもこの柔軟性の確保は最も重要な点と考えます。
費用の可視化/最適化がしやすい
クラウドがリリースされたころは、オンプレミスよりクラウドの方が安い、と言われ、少し浸透されたらオンプレミスの方がやっぱり安いと言われていましたが、どちらの構成にせよ適切に使うことが重要です。ただし、確実に言えるのはクラウドの方が可視化や調整がしやすいという点です。Azureの場合Cost Managementを利用することで約1年前までの各システムの料金をさかのぼることができ、また、システム変更だけでなくクラウド特有の割引機能を使いより安価に抑えることも可能です。
クラウド=安いではないですが、クラウド=安くできる、とは言えるため、この点も大きい利点です。
事業継続、災害復旧に強い
クラウドとはいえ物理拠点はあるのですが、クラウド事業者は非常に安全かつ地理的に離れた場所等可用性を高くできるファシリティを有しています。社員が物理的にそういった環境を用意せずとも、設定一つで高い物理安全性を確保でき、更に豊富な冗長化や復旧の仕組み、バックアップを利用できることは、物理環境の保守を行った方であればどれだけ便利なものか想像に難くないと思います。
終わりに
今回はEOSに伴う対応方法、またその中でもAzureへの移行について紹介してきました。
クラウドはだいぶ世の中に浸透しており、今や普通の選択肢の一つです。とはいえ、それは単純に並列な選択肢ではなく多くの企業様では中長期的に見た時に大きく優位に働く選択肢と言えます。弊社パーソルクロステクノロジーでは、多くのAzureへの移行実績・運用実績がございます。まだ移行方法は検討中といった段階でも是非ご相談ください。2026年度は豊富な特典や無料キャンペーンも提供しており、特にオンプレミス環境の無料アセスメントは大変好評を頂いており、是非ご利用を検討いただければと思います。


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