FinOpsとは?
FinOpsとは、一言で言うとクラウドコストを最適化しながらデータを基にした迅速な意思決定を行い、ビジネス価値を最大化させる、企業の技術部門・財務部門等の各セグメントを超えて行われる運用手法です。
もとはFinance(財務)とDevOpsをくっつけた用語であり、元々存在していたシステム開発部門とシステム運用部門が連携することでシステムのビジネス価値を最大化させるDevOpsの運用手法に、更に財務部門や経営部門を追加した体制となっています。
クラウドの特性として迅速に構成を変えられる柔軟性が挙げられますが、この柔軟性はビジネスにおいて外部環境の変化や社内の方針変更にスピーディに対応可能であることを意味します。例えば商品の販売力を強化する際にECシステムの性能を上げたり、逆に財務状況が悪化した際にシステム費用を縮小するため台数を減少させると言ったことが挙げられます。このような対応をタイムリーに実現できることは非常にビジネス価値が大きく、この価値を最大化させることがFinOpsの目的です。
なお、FinOpsの中に”Fin”と言う用語があることや、FinOps運用においてクラウドコストを最適化させるフェーズがあるため、FinOpsの目的はクラウドコストを必要最低限にする事と説明されることもありますが、あくまでそれはFinOpsで実現する一要素であり、最終的な目的はビジネス価値の最大化であることに注意しましょう。
FinOpsのメリット・デメリット
FinOps導入におけるメリットとデメリットは例として以下が挙げられます。
メリット
1.コストが可視化・最適化される
FinOpsは、上述の通り運用の中でクラウドコストを明確に可視化し、必要最低限の金額とする最適化を実現します。これにより無駄な支出を削減し効率的なシステム利用が可能になります。
2.チーム協力が促進される
FinOpsは組織横断的なアプローチを推奨しており、開発部門、運用部門、財務部門、経営部門が連携します。これにより、組織全体の行動指針が統一され、事業の効率化が推進されます。
3.柔軟性とスケーラビリティを獲得
FinOpsの運用で確立された体制では、経営方針の変化や需要の変動に対して、“組織的に”迅速に対応できる柔軟性とスケーラビリティを獲得します。
デメリット
1.リソースの消費
FinOpsの導入には運用方法の浸透には、新しいフレームワークやツールに慣れるまで、リソースと時間を投入する必要があります。まだ導入している企業が少なく情報も十分でない現在では特に導入時においては一定のデメリットとなります。
2.適応力不足と文化の変更
FinOpsは組織横断によるコミュニケーション、指示系統の分散により、組織によっては、文化の浸透が難しい場合があります。関係各所への説明や目的意識の統一が徹底されていないと、これまでにない協力やコミュニケーションの要求が適応されずハレーションが起きる可能性もあるでしょう。
3.完全な自動化の難しさ
FinOpsは継続的に各部門と連携しながら方針を決め、クラウドに適用していくため、完全な自動化は困難であり、一定手動での介入やエキスパートの判断が必要な場合があります。完全に自動化された運用よりも工数がかかるケースが多いと考えられます。
FinOpsの日本国内での浸透度
このFinOpsですが日本国内ではまだ浸透が進んでいないのが正直なところです。2023年4月に行われた調査会社によるデータでは、パブリッククラウドの利用拡大、円安の影響によるクラウドコストの増加から、クラウドコストを削減・最適化する需要は高まっているものの、組織を横断したFinOpsを実現している会社は非常に限られているようです。
また、世界的にFinOpsが最も進んでいるのは米国ですが、東南アジアでも盛んなようです。ただし、上述の通り需要が高まっている事や、2023年12月に日本で初めてのFinOps meetupがあったことからも今後成長する可能性は大きくあるため、活性化に期待したいと思います。
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