Azure Backupストレージの予約割引によるコスト削減効果と確認方法を解説!

はじめに

Azureのコスト削減手法としては、リザーブドインスタンス、稼働時間の短縮、最近ではSavingPlan等の機能がメジャーな対応かと思いますが、皆さんはAzure Backupで利用するバックアップストレージに対して、割引できる機能をご存じでしょうか。
バックアップストレージは、基本的に一定規模の容量が長期的に必要になるため、従量課金の特性は薄く、毎月一定費用が発生するケースが多いのですが、Azureではこのバックアップストレージに対して先払いすることで割引可能な機能があります。
Azureの消費量が大きく、コスト削減をお考えの方は是非本記事をご参照ください。


予約割引を適用できる条件

この機能自体は大変すばらしい機能なのですが、割引効果を受けるには以下の条件が必要となります。

割引できる最低容量は100TB(!)

 先払いする容量の単位は100TBからとなります。なお、この容量はRecovery Services コンテナー内のバックアップ ストレージの容量となり、この容量はバックアップ前のストレージを圧縮した容量となるため、かなりの容量をバックアップしている必要があります。
 仮に圧縮率が50%だとしたら、200TBのストレージのバックアップを取得している必要があります。
上記の100TBは”単一のサブスクリプション”か”単一のリソースグループ”か”単一の管理グループ”の中の、「同一リージョンかつ同一冗長性区分内」での合計数となります。
そのため、Recovery Services コンテナーが複数存在していても同一リージョン、同一冗長性(GRS、LRSなど)であれば、同じ予約を適用可能です。

 

ストレージの構築時期は問わない

 予約割引を購入前に存在していたバックアップストレージも、購入後に存在するストレージも割引対象となります。

 

サブスクリプション形式はEA、CSPでも購入可能

EA、CSP形式であれば購入可能です。それ以外のサブスクリプション形式は購入できません。

 

支払いは月払い対応可能

先払いの金額については、年払い/月払いが可能です。ただし金額はそれなりに大きいので注意が必要です。

 

コンテナーのレベルはStandardのみ

ストレージコンテナーレベルはStandardに格納うされている必要があり、Archive レベルは対象となりません。


実際どの程度割引される?

ざっくりですが、冗長性区分を問わず1年分の予約だと10%程度、3年分の予約だと20%程度です。
2023年6月時点で、東日本リージョン・LRS・100TBで年間377万程度ですが、予約割引によって340万程度となります。

 

予約容量の確認の仕方

バックアップストレージの容量は以下の方法で確認可能です。
①Azureポータルへサインイン
②Recovery Services コンテナーをクリック
③左側メニュー[概要]→右画面[バックアップ]タブ→画面下部の[使用料]-[ストレージの構成]部分
なお、前項でも記載した通り、予約の単位は選択したスコープ内における「同一リージョンかつ同一冗長性区分内」となるため、同条件の各Recovery Services コンテナーの容量の合計を確認すると良いでしょう。


予約内容の変更、キャンセルについて

予約の交換は可能

バックアップストレージの予約は”交換”と言う機能があり、手数料なく対象ストレージの内容を変更できる機能です。例えば、LRSの予約を購入して使っている途中でも、GRSの予約に切り替える、と言った事が可能です。料金については日割りで換算されるため、入れ替えることによるコストの発生はありません。

 

予約の取り消し

途中のキャンセルは可能です。キャンセルした場合、その時点で適用前の日数分の日割り金額が返金されますが、最大返金金額は5万ドル(為替は返金申請時点のレート)となるので注意が必要です。LRS100TB1年であれば5万ドル以下なので一応返金上限には達しないですね。

 

終わりに

今回はマイナーなコスト削減手段について調査してみました。バックアップストレージはVM台数が多いお客様ですと、肥大化している可能性もありますので、まずは100TB以上あるかをご確認いただけると良いかと思います。

無料でAzure環境を分析!
コスト削減案と想定削減金額をレポートします。

毎月先着3社様限定キャンペーン実施中。
ご興味ある方は左の画像リンクから是非お申し込みください。

いいね (この記事が参考になった人の数:1)
(↑参考になった場合はハートマークを押して評価お願いします)
読み込み中...

注意事項・免責事項

※技術情報につきましては投稿日時点の情報となります。投稿日以降に仕様等が変更されていることがありますのでご了承ください。

※公式な技術情報の紹介の他、当社による検証結果および経験に基づく独自の見解が含まれている場合がございます。

※これらの技術情報によって被ったいかなる損害についても、当社は一切責任を負わないものといたします。十分な確認・検証の上、ご活用お願いたします。

※当サイトはマイクロソフト社によるサポートページではございません。パーソルクロステクノロジー株式会社が運営しているサイトのため、マイクロソフト社によるサポートを希望される方は適切な問い合わせ先にご確認ください。
 【重要】マイクロソフト社のサポートをお求めの方は、問い合わせ窓口をご確認ください