この記事は更新から24ヶ月以上経過しているため、最新の情報を別途確認することを推奨いたします。
本記事は、Spring Update のリリースにあたって弊社による理解と見解であり、情報発信のスピードを優先しており、間違った内容が含まれている場合があります。ご了承ください。
2020 年 5 月 1 日 AM 2 時すぎに、以前からイベントやフォーラムでまもなく公開と予告されていた Spring Upate がリリースされました。
Spring Update 2020 is in Public Preview!
https://techcommunity.microsoft.com/t5/windows-virtual-desktop/spring-update-2020-is-in-public-preview/m-p/1350774
Spring Update 概要
代表的な変更点をいくつか挙げるとこのようなものがあります。
- ARM object に構成変更
- Azure Portal で WVD が管理可能
- Service Metadata のリージョンが選択可能
- PowerShell の Az モジュールに WVD 関連コマンドが追加
- ユーザー割当がグループで指定可能
- Teams ビデオ会議対応(A/V Redirection)
ARM object に変更
まず、一番大きなインパクトは従来の内部構成を刷新しています。
これまで、WVD を構築しても RDS テナントやホストプールのリソースが Azure 上で確認できず、VM のみ目に見えて管理できていたかと思います。
今回のアップデートにより、その構成が見直され、Workspaces(従来の RDS テナントに相当)、Host pools、Application Groups という 3 つのリソースを中心に、Host pool にセッションホストとして VM がぶら下がる構成になっています。
詳しい説明はこちらを参照ください。現在は英語ドキュメントのみ最新に更新されています。
Windows Virtual Desktop environment
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/virtual-desktop/environment-setup
今後、従来のオブジェクトを移行するツールがリリースされる予定となっています。
Azure Portal で WVD が管理可能
ARM object に変更したことで Azure Portal でリソースとして確認することが出来るようになり、他のサービス同様にポータルから管理可能となりました。
まだ英語のチュートリアルのみですが、こちらを参照ください。
Tutorial: Create a host pool with the Azure portal
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/virtual-desktop/create-host-pools-azure-marketplace
試しにデプロイしてみましたが、一発で簡単にデプロイすることが出来ました。
ポータル上で WVD 環境の状況も簡単に把握可能となっています。
Service Metadata のリージョンが選択可能
Service Metadata は今までは United States のみ指定可能でした。Service Metadata は Workspaces や Host pools、Application Groups のリソースが実際に存在するリージョンです。論理的なリソースとはいえ、セッションホストと極力同じ方が望ましいでしょう。
今はこれらのリージョンから選択可能となります。いずれ東日本も選択可能になるのでしょうか。
PowerShell の Az モジュールに WVD 関連コマンドが追加
確認したところ Az モジュールをアップデートしただけではコマンドは追加されず、そのサブモジュールを個別指定してインストールおよびインポートして使用する必要があるようです。おそらくこれらのコマンドの Category が Cmdlet ではなく Function になっているからかと思います。
# 初回のみ(管理者として実行)
Install-Module -Name Az.DesktopVirtualization
# 使用する時
Import-Module -Name Az.DesktopVirtualization
コマンド一覧はこちらです。
Name Category Module Synopsis
---- -------- ------ --------
Disconnect-AzWvdUserSession Function Az.desktopvirtualization Disconnect a userSession.
Get-AzWvdApplication Function Az.desktopvirtualization Get an application.
Get-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization Get an application group.
Get-AzWvdDesktop Function Az.desktopvirtualization Get a desktop.
Get-AzWvdHostPool Function Az.desktopvirtualization Get a host pool.
Get-AzWvdRegistrationInfo Function Az.desktopvirtualization
Get-AzWvdSessionHost Function Az.desktopvirtualization Get a session host.
Get-AzWvdStartMenuItem Function Az.desktopvirtualization List start menu items in the given application...
Get-AzWvdUserSession Function Az.desktopvirtualization Get a userSession.
Get-AzWvdWorkspace Function Az.desktopvirtualization Get a workspace.
New-AzWvdApplication Function Az.desktopvirtualization Create or update an application.
New-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization Create or update an applicationGroup.
New-AzWvdHostPool Function Az.desktopvirtualization Create or update a host pool.
New-AzWvdRegistrationInfo Function Az.desktopvirtualization
New-AzWvdWorkspace Function Az.desktopvirtualization Create or update a workspace.
Register-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization
Remove-AzWvdApplication Function Az.desktopvirtualization Remove an application.
Remove-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization Remove an applicationGroup.
Remove-AzWvdHostPool Function Az.desktopvirtualization Remove a host pool.
Remove-AzWvdRegistrationInfo Function Az.desktopvirtualization
Remove-AzWvdSessionHost Function Az.desktopvirtualization Remove a SessionHost.
Remove-AzWvdUserSession Function Az.desktopvirtualization Remove a userSession.
Remove-AzWvdWorkspace Function Az.desktopvirtualization Remove a workspace.
Send-AzWvdUserSessionMessage Function Az.desktopvirtualization Send a message to a user.
Unregister-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization
Update-AzWvdApplication Function Az.desktopvirtualization Update an application.
Update-AzWvdApplicationGroup Function Az.desktopvirtualization Update an applicationGroup.
Update-AzWvdDesktop Function Az.desktopvirtualization Update a desktop.
Update-AzWvdHostPool Function Az.desktopvirtualization Update a host pool.
Update-AzWvdSessionHost Function Az.desktopvirtualization Update a session host.
Update-AzWvdWorkspace Function Az.desktopvirtualization Update a workspace.
詳しくはこちらのドキュメントも参照ください。
Set up the PowerShell module for Windows Virtual Desktop
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/virtual-desktop/powershell-module
ユーザー割当がグループで指定可能
従来、WVD でのユーザー割当は個々のユーザーを指定する必要がありました。Spring Update ではグループの指定も可能となっています。
Teams ビデオ会議対応(A/V Redirection)
この機能はまだ未検証のため、今後確認していきたいと思います。
その他変更点
通信要件の追加
Azure Portal で管理可能になったことで、通信要件として必要な FQDN やポートも追加されています。構築方法だけではなくこのような要件も改めてご確認ください。
What is Windows Virtual Desktop?: Requirements
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/virtual-desktop/overview#requirements
ウェブクライアント(ブラウザ)アクセス時のURL変更
従来のURLはこちらでした。
https://rdweb.wvd.microsoft.com/webclient/index.html
新しいURLはこちらになります。
https://rdweb.wvd.microsoft.com/arm/webclient/index.html
Azure Firewall の設定がより楽に
従来は一つ一つ必要な FQDN を登録する必要がありましたがサービスタグ(IP Group)が追加されたのでこの設定で一撃です。
以上です。
ざっとまとめて見ましたが、いかがだったでしょうか。
パブリックプレビューの構成を試してみたいという方がいれば、ぜひ弊社までお問い合わせください。