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はじめに
Azure Application Gatewayとは、第7層のアプリケーション層で負荷分散を行うサービスです。
2019年4月30日、Azure Application Gatewayのv2 SKUが一般提供されました。
本記事では、Azure Application Gateway Standard v2の機能をご紹介していきます。
Azure Application Gateway Standard v2の機能概要
Azure Application Gatewayのv2で一般提供されている新機能は以下があります。
・自動スケール
・ゾーン冗長性
・静的VIP
・ヘッダーの書き換え
これらの機能についてご紹介いたします。
自動スケール
今回のv2で搭載されたの大きな機能の一つがこの「自動スケール」になります。
v1ではデプロイ時に、想定されるトラフィックに応じてサイズをS,M,Lから選ぶ必要がありました。
ですがv2では自動スケーリング機能が搭載されており、デプロイ時に最小数と最大数を設定します。
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するとトラフィックパターンに応じて自動でこの数の中でスケールアウト、スケールインを行ってくれます。
最大数、最小数の設定は、デプロイ後もAzureポータルより変更可能です。
ゾーン冗長性
Azure Application Gatewayを複数の可用性ゾーンに配置することができます。
どのゾーンに配置するかはデプロイ時に指定することが可能です。
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この機能を使用することで、各ゾーンにAzure Application Gatewayをデプロイしなくとも高可用性を実現ことができます。
静的VIP
v1ではフロントエンド仮想IPアドレス(VIP)は動的でしたが、v2では静的となりました。
これにより、Appliation Gatewayの再起動が発生してもVIPが変わることはなく、URLを使用してアクセスする必要がなくなりました。
ヘッダーの書き換え
v2ではHTTPヘッダーに格納される情報を書き換えることが可能になりました。
Azureポータルより書き換えのルールを使用して、その条件に当てはまる場合にヘッダー情報の書き換えが行われます。
以下の日本マイクロソフト社公式ページのサーバー変数を用いることで、様々な情報を書き換えることができます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/application-gateway/rewrite-http-headers#server-variables
例えば不要なヘッダー情報を削除したり、脆弱性対策に使用することができます。
まとめ
上記の通り、v2 SKUでは便利な新機能が多く追加されています。
またデプロイ時間が短縮されていたり、パフォーマンスがより向上していたりさらに使いやすいサービスとなっている印象です。
Azure上に構築したWebアプリケーションなどへ負荷分散機能を導入する際には、Azure Application Gatewayの導入も検討してみてください。