この記事は更新から24ヶ月以上経過しているため、最新の情報を別途確認することを推奨いたします。
追記(2019/12/27):Azure Bastionの価格を修正しました。
以下の記事の通り、11月4日にAzure BastionがGAされました。
Azure Portalにおいても仮想マシンの操作タブに「要塞」が追加されていることが確認できます。
要塞という項目を見て、なんだこれは?と思いましたが、BastionがGAされたということだったんですね。
さて本記事ではGAされたAzure Bastionについて、紹介していきたいと思います。
Azure Bastionの概要
ほとんどの企業のネットワーク環境は、セキュリティ面を考慮して、外部へのリモートデスクトップ接続を許可していないことが多いです。そのため、社内 LAN よりクラウド上の仮想マシンに接続することができなかったり、そもそもクラウドが選択肢から外れてしまうケースがあると思います。
Azure Bastionはそんな時に活用できるサービスです。HTTPSの接続が許可されていれば、ブラウザを経由してリモートデスクトップ接続することができます。
上図の通りクライアントはAzure Portalへ接続します。その後Bastionがプライベートな接続でVMと通信し、その画面データが暗号化されてクライアントの手元に配信される形となります。
触ってみて感じたこと
よかった点
- 外部からの安全な接続を手軽に構成できる
Bastionの利用にあたり設定したことは、仮想ネットワーク内に専用のサブネットを用意したくらいです。
既存のネットワーク環境に大きな変更なく、5分足らずで構築できました。 - PaaSなので、IaaS範囲の管理いらず
踏み台サーバを自分で用意するとなると、IaaSのVMを手動で運用・管理しなければならず、認証やセキュリティポリシー、アクセス制御リスト、Windows Updateといった内容に悩まされることになります。
BastionはPaaSのサービスであるので、上記にあげたような運用・管理をしなくてすみます。 - 月額費用およそ8千円~
Azure Bastionの価格が見直され、2019年12月時点において当初の半額の費用でサービスを利用できるようになりました。
ちなみに、A1サイズ (vCPU 1core, Memory 1.75GB)の仮想マシンを一ヵ月フル稼働(730h)させた場合はおよそ9千円ですので、それより安いわけです。是非、積極的に使っていきたいサービスですね。
いまいちな点
月額費用およそ1.6万円~月額費用だけでみたら、IaaS VMで踏み台サーバを構築した方が安いと思います。運用・管理のコストを踏まえて検討することになりそうです。- ショートカットキーがブラウザに奪われる
画面データはブラウザに表示されるので、キーボードのショットカットがブラウザに奪われてしまいます。
一時的に外部から接続する際に利用するならともかく、普段からBastion経由で作業するのは現実的ではないかもしれません。
外出先からでも安全にリモート接続できるマネージドなサービスというのは魅力的ですね。あとは金額と操作性の観点を考慮して、利用を検討されるのがよいかと思います。
今回はこれで以上です。
外部からのリモート接続環境にお困りでしたら、お気軽に弊社までご相談ください。