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はじめに
Azure Site Recovery(以後、ASRと略す)とは、オンプレミスからAzureへの移行に用いるツールの一つである。移行元が物理マシン、VMware仮想マシン、Hyper-V仮想マシンいずれの場合でも 移行することが可能であるが、移行元によって構成は少しづつ異なる。 今回は移行元による構成の違いを比較したいと思う。
ASRを私用してサーバーを移行するためには、構成サーバー、プロセスサーバー、マスターターゲットサーバーを用意する必要がある。(3種類掲げたが基本的には一つのマシンに同居させることが可能である。)これらのサーバーをどこに構成するかという点が、構成上の主な差異となる。
移行元がVMware仮想マシンの場合
VMware上に新たに仮想マシンを作成し構成サーバー、プロセスサーバー、マスターターゲットサーバーをインストールする。構成概要は以下となる。
仮想マシンを追加するため、追加できる余裕があるか否か事前に確認する必要がある。
移行元がHyper-V仮想マシンの場合
Hyper-V ホストに構成サーバー、プロセスサーバー、マスターターゲットサーバーをインストールする。構成概要は以下となる。仮想マシンを追加せずに済む点が特徴的である。
移行元が物理マシンの場合
移行対象仮想マシンと通信可能な場所に別途物理マシンを用意し、構成サーバー、プロセスサーバー、マスターターゲットサーバーをインストールする必要がある。 構成概要は以下となる。 物理マシンを追加するため仮想マシンの移行の場合と比較して一般的にはハードルが高いと思われる。
まとめ
移行元によって事前準備に差があり、物理マシン移行のために別途物理マシンが必要になるなど、場合によってはASRによる移行が非現実的な場合もある。そのため移行ツールとしてASRを使うことができるのか否か確認する必要がある。また、今回は構成比較にとどまるため、当然のことながら構成面以外の前提条件も別途確認する必要がある。