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はじめに
2018年3月にAzure MigrateというサービスがGAされました。直訳すると「Azure 移行」のためイメージ的にはオンプレミスのサーバをAzureに移行できるサービスなのかな?と思う方も多いかと思います。が、Azure Migrateは実際にはタイトルの通りそのイメージとは全く異なるサービス内容です。本記事では、Azure Migrateのできること・できないこと、システム構成について紹介したいと思います。
Azure Migrateとは
まずはじめに知っておいてもらいたいのは、Azure MigrateではオンプレミスサーバのAzure移行はできないということです。では何ができるのか?
Azure Migrateのサービス内容を一言で表すと「オンプレミス仮想環境に対して、Azureへの移行が可能か・移行したらどれくらいの費用が発生するかを確認できるサービス」と言えるでしょう。それを踏まえたうえAzure Migrateのできること、できないこと、注意点を紹介します。
Azure Migrateでできること・できないこと
できること
・オンプレミスVM ware環境の仮想サーバに対して以下の評価を行う
-①Azureへの移行可能性:サーバのOSや性能から、Azureに移行可能なサーバかを評価します。
-②Azureへの移行方法:Azureへ移行する場合、どのような方法が有効か提示します。
-③Azureでの想定費用:Azureに同等のOSや性能で移行した場合どの程度のコストが発生するかを提示します。
できないこと
・仮想マシンの移行
・Hyper-V環境の評価(対応予定ではあるが、時期未定)
注意点
・評価内容を見るためにAzureサブスクリプションを用意する必要があります。
・ESXiのバージョンは5.0以降の必要があります。
・vCenter Serverのバージョンは5.5、6.0、6.5の必要があります。
・オンプレミス仮想環境からインターネットに対してTCP443の通信が必要です。
・コレクターアプライアンスを稼働できる容量/性能(約10GB/4コア8GBメモリ)が必要です。
・評価はVCenterのハイパーバイザー側で持つ情報を見るため、ハイパーバイザーの情報と実OS内の情報が異なる場合、分析結果にズレが生じます。
システム構成
システム構成は以下の通りです。
重要なのは、以下の3点でしょう。
・OVAのダウンロードと、評価結果を見るためにAzureサブスクリプションが必要となる
・ダウンロードしたOVAをオンプレミス仮想環境で仮想サーバとして展開する必要がある
・仮想環境からインターネットへTCP443通信ができる必要がある
最後に
上述の通り、Azure MigrateではオンプレミスサーバのAzure移行ができませんが、一定の条件下においては、Azure Site Recoveryを利用すればAzureへの仮想マシンの移行が可能です。この方法についてはまたブログで詳細紹介できればと思います。
なお、このAzure Migrateについては、弊社反町が日経クラウドファーストに寄稿しておりますので、2018年5月号をお持ちの方は、是非そちらも併せてご覧いただけると良いかと思います。