はじめに

この記事では2023年12月時点のMicrosoft社のFinOpsに対する取り組みを紹介していきます。2022年まではあまり関連した取り組みは見られていませんでしたが、2023年は大きく動きがありました。
なお、FinOpsの基本についての情報は以下の記事をご参照ください。

FinOpsの基礎、メリット・デメリットを紹介

 

 

 

FinOpsのMicrosoftの取り組み

FinOps Foudationとの連携

　Microsoft が FinOps Foundation のプレミア メンバーとして参加

　Microsoft は FinOps 認定サービス プロバイダーになりました

2023年2月にMicrosoftがFinOps Foundationにプレミアメンバーとして参画、続いて11月にはFinOps Foundationにおける認定サービスプロパイダーになりました。FinOps FoundationとはLinux Foundation を母体とする非営利組織で、FinOpsに関する人材の育成や技術・ツール面での標準化、クラウドベンダー及びパートナーとユーザー間の連携促進等の活動を通じてFinOpsを推進していくコミュニティです。認定サービスプロパイダーはFinOp Foundationと企業単位で連携しながら、FinOps活動を支援する企業です。

恐らく個々のエンジニア単位ではMSの方も多く参画されていたと思いますが、2月のタイミングで会社としてコミュニティに参加し、11月には認定サービスプロパイダーとなりました。機能としてFinOpsに通ずる物は多くありましたが、今後は会社としてもFinOps Foundationを通じて外部企業とも連携しながら、FinOps活動を推進していくでしょう。

 

ドキュメントの策定

AzureではFinOpsに関連する資料やドキュメントが次々に用意されています。2023年に入ってからもドキュメントのリリースは続いているので、今後も更に充実していくかと思います。

　Azure FinOps ガイド

FinOpsの基本からAzureにおけるFinOps機能、Azureの各リソース毎のコスト関連機能などの情報先がまとめられています。まずはこのガイドから参照先を確認すると良いでしょう。

　Microsoft Learn
FinOpsの基本について、Microsoft社として紹介されています。ただFinOpsの基本についてはクラウドベンダーによる考え方の違いなどはありません。

　公式eBook
FinOpsの原則毎に減速の内容、関連するAzure機能とその活用方法が丁寧に紹介されています。ダウンロード版は英語しかないので、Chrome等の外部ツールで翻訳する必要があります。

 

機能の拡張

FinOps Foundationへの参画は最近だったAzureですが、コストに関する機能は以前から充実していました。そのためFinOpsに関する社外との取り組みはこれまで少なかったとは言え、結果的にFinOpsにつながる機能拡張は過去から行われておりました。
関連する機能としては以下が挙げられます。

 

・Cost Management

・Azure policy

・Power BI

・Azure Workbook

・Azure Adviser

・Microsoft Teams

・Microsoft Azure Learning pass

 

特にCostManagementはコスト分析、予測、アラートの機能が非常に充実しています。分析においては細かいグルーピングや多彩な可視化機能も有しています。
また、2023年11月にはFOCUSと言われる、AWS等外部のベンダーのコストや、オンプレミスのコスト等も共通して利用できるデータ形式でのエクスポートが限定的にサポートされ、これによりマルチクラウドやAzureを限定的に利用している企業でもFinOpsが推進されます。こういった業界全体としてのFinOps活性化にも通じる機能がリリースされるのは非常に喜ばしいですね。

 

 

期待する事

2023年を振り返るとMicrosoft社はFinOps Foundationに遅れて参加しながらもこれまで拡張してきた機能もあるため今後更にFinOpsを活性化させる基盤が整った、と言う印象です。

今後はツールやドキュメントの拡充に加えて、FinOpsを推進するベンダーとの連携やセミナー・勉強会が活性化され、FinOpsの裾野が広がる行動に期待しつつ、弊社としてもその活動に積極的に参加していきたいと思います。

 

当社では、Azure環境におけるFinOpsのフレームワーク導入の支援を行っております。
また、FinOps導入の前に、まずクラウドコストを削減・最適化したい、と言った要望にも対応可能で、多くのお客様に満足頂いています。
ご相談は無料ですのでお気軽にご連絡ください。