ファイルサーバー on Azure(2019年最新版)

この記事は更新から24ヶ月以上経過しているため、最新の情報を別途確認することを推奨いたします。

みなさん、ファイルサーバーをクラウド上に構築することを検討することも増えていることかと思います。

ファイルサーバーをクラウド上に構築する場合、オンプレミス以上にパフォーマンスに気をつける必要があります。主にはネットワークレイテンシーが影響するわけですが、それを補完するために IO 性能を上げて帳尻を合わせることも検討する方もいることでしょう。

本記事では最新のファイルサーバー on Azure について見ていきましょう。

ファイルサーバー on Azure 構成パターン

弊社が普段お客様に提案している構成案をご紹介します。

  1. IaaS VM をファイルサーバーとして利用
  2. Azure Files / Azure File Sync
  3. Nextcloud on Azure
  4. NetApp Cloud Volumes ONTAP

主なパターンはこちらになります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

VM をファイルサーバーとして利用

シンプルに VM のストレージをファイルサーバーとして利用する構成です。
Azure で IaaS を構成する場合、いくつかの考慮事項があります。

  • ディスクは 1 ディスクあたり最大 32 TB
  • ディスク容量によって IOPS も変わってくる
  • ディスクの最大数は VM の SKU によって異なる(概ね CPU 数 × 2 本)
  • VM の SKU によってネットワークスループットが異なる

以下の記事にもあるように、例えば B1 という VM でも 64 TBの容量のサーバーを構築することは可能です。

[より大容量でより強力な Azure Virtual Machines 用マネージド ディスク]
https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/larger-more-powerful-managed-disks-for-azure-virtual-machines/

 

なお、現時点で最大のディスク数は 64 本で、ここから計算すると 1 VM での理論上の最大容量は 2 PB となります。とんでもない月額利用料になりそうですが。

Azure Files / Azure File Sync

次にご紹介するのが Azure のストレージサービスを利用した構成です。
Azure にはいくつかのストレージサービスがありますが、その中でも Azure Files はマネージドなストレージサービスと言えます。以前こちらの記事を書いた時点では現実的には難しいものがありました。

[Azure Filesはオンプレから利用するファイルサーバとなり得るか]
https://cloudsteady.jp/post/1079/

 

現在も Azure Files 単体で利用する限り、上記記事内での制約は変わっていないため難しい問題があります。
ただ、Azure File Sync を利用することでその課題を克服することができます。

Azure File Sync を使うメリットはこちらです。

  • Windows ACL が利用可能
  • NTFS がサポート(それ以外はサポートされない)
  • 高可用性構成が容易に可能

 

一方、まだまだ暗号化ソリューションや HSM ソリューションの対応状況は十分ではないため、今後に期待です。詳細は以下をご確認ください。

[Azure File Sync のデプロイの計画]
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/files/storage-sync-files-planning

 

Nextcloud

こちらは OneDrive や Dropbox のようなオープンソースソリューションです。

 

[Nextcloud]
https://nextcloud.com/

 

特徴をいくつか書くと、このような感じでしょうか。

  • パブリッククラウド対応かつ実績も多数
  • Android や iOS などのマルチデバイス対応
  • ユーザー・グループ間共有や社外共有(パスワードや期限付きの共有など)
  • AD、LDAP にも対応し、SAML2.0サポートでSSOも可能
  • ファイル操作ログの管理が可能

 

これらのソリューションを IaaS VM 上に構築することになり、最大容量などは IaaS VM と同様です。
UI や機能としてオーバーラップしたソリューションと考えていいでしょう。

 

NetApp Cloud Volumes ONTAP

最後に、エンタープライズ向けストレージとして定評のある NetApp のクラウド対応ソリューションである NetApp Cloud Volumes ONTAP(通称:CVO)をご紹介します。

こちらもAzure上で利用するサービスとしては IaaS VM という点では変わりありませんが、NetApp 社による仮想アプライアンスがインストールされた VM を利用します。

すでに NetApp 製品を利用されている方は概ねそのままの機能をクラウド環境でも実現できるためおすすめできます。

これまで紹介してきたものと比べて機能面でも価格面でも高価なものと言えますが、ビジネス基盤として重要なファイルサーバーに対する投資として事業継続性など総合的な判断で導入を検討していただければと思います。

詳細は以下のサイトをご確認ください。

[NetApp Cloud Volumes ONTAP]
https://www.netapp.com/jp/info/what-is-cloud-volumes.aspx

 

 

弊社ではエンタープライズ向けのクラウド導入を得意としているため、ファイルサーバー on Azure をご検討の方はまずはお気軽にお声掛けいただけますと幸いです。

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