Azure Virtual Desktop のコストを考えるときに最初に知っておきたいこと(稼働時間の話)

はじめに

Azure Virtual Desktop(以下 AVD)を検討・利用する際、「何人使えるか」「どの VM サイズにするか」といった構成要素に目が向きがちです。一方で、AVDのコストを見積もる・最適化するうえで、最も影響が大きい要素は別のところにあります。
それが、セッションホストがどれくらいの時間、稼働しているかです。
本記事では、初心者向けにAVDにおけるコストの考え方を 「稼働時間」という軸で整理し、あわせて スケーリングプランを使った稼働時間制御という選択肢について触れます。

AVD のコスト構造を整理する

AVDのコストは、複数の要素から構成されますが、その中心になるのは以下です。

  • セッションホスト(仮想マシン)
  • ストレージ(ユーザープロファイル等)

この中で、最も金額への影響が大きいのがセッションホストです。
AVD では、セッションホストが起動している時間に応じてコストが発生するという点が非常に重要です。
ユーザーがログインしていなくても、セッションホストが起動していればコストは発生します。

「VM サイズ」より「稼働時間」の影響が大きい理由

AVD の構成検討では、「マルチセッションか」「どの VM サイズか」といった議論がよく行われます。
もちろんこれらも重要ですが、以下のような状態を考えてみます。

  • セッションホストは常時起動
  • 実際に利用されるのは平日の日中のみ
  • 夜間・休日はほぼ利用されない

この場合、VM サイズを少し下げても24 時間分の稼働コストが毎日積み上がるため、コスト削減効果は限定的になりがちです。
AVD では、どんな構成にするか以上にどれだけの時間、稼働させるかが、コストを大きく左右します。

AVDでまず考えるべきこと

AVDのコスト設計で、最初に考えるべき問いはシンプルです。

このAVD 環境は、使われない時間があるか?

  • 業務時間帯だけ使われるのか
  • 夜間・休日も利用されるのか
  • PoC や検証用途なのか

この問いへの答えによって、

  • 常時稼働前提の設計にするか
  • 稼働時間を制御する前提にするか

という 設計方針そのものが決まります。

稼働時間を前提にした AVD 設計

AVDでは、「とりあえず常時起動して様子を見る」という選択も可能ですが、
PoC や小規模利用では必ずしも最適とは言えません。
むしろ、

  • 利用時間がある程度決まっている
  • 止まっていても致命的ではない

といった条件であれば、最初から稼働時間を制御する前提で設計する方がコスト減ります。

スケーリングプランによる稼働時間制御

セッションホストの稼働時間や台数を制御するための標準機能として「スケーリングプラン」が用意されています。
スケーリングプランを利用することで、

  • 利用時間帯のみセッションホストを起動
  • 夜間・休日は自動的に停止
  • 不要な稼働を防ぐ

といった運用が可能になります。
これは単なる自動化機能ではなく、AVD を「必要な時間だけ使うサービス」として扱うための仕組みと言えます。

サイズ調整の前に「時間」を考える

AVD のコストを下げたい場合、

  • マルチセッションにするか
  • VM サイズをどうするか

を考える前に、

  • この環境は いつ使われるのか
  • それ以外の時間は 止められるのか

を整理する方が、結果として大きな効果につながります。
稼働時間を制御できれば、無理にVMを小さくしなくてもよく、性能とコストのバランスを取りやすい

というメリットもあります。

まとめ

Azure Virtual Desktop のコストを考える際、つい VM サイズや構成パターンといった「目に見えやすい要素」に意識が向きがちですが、実際には セッションホストがどれくらいの時間稼働しているかが、コストに最も大きな影響を与えます。

Azure Virtual Desktop のコスト最適化は、高度な設定や細かなチューニングから始めるものではありません。
まずは「いつ使われ、いつ使われないのか」を言語化し、その前提に沿った構成を選ぶことが、最も効果的で現実的な第一歩になります。

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