はじめに
言うまでもない事ですが、コストの定期的な確認はAzureを利用していく上で非常に重要です。
・どのサービス、リソースで実際どれだけのコストが発生しているのか
・今月はどれくらいのコストになりそうなのか
・半年前と比べてどれだけコストが増加しているか、削減できているか
などなど、クラウドを適切に運用するためにはどれも欠かせないポイントになります。
そんな大切なコスト確認を行うために公式で用意されている、Azure PortalのCost Managementが見れない場合、どのように対処するべきなのかを本記事ではお伝えできればと思います。
ケース別対処法
それぞれ想定されるケース別に対処法を記載します。
下の図を参照して、該当する箇所を確認してください。

①コストを確認する方法がわからないケース
そもそもAzure Portalでどこでコストを確認できるのか。
幣サイトの記事「Azureのコストを詳細に確認する方法について」で解説しているので、ご参照ください。
以下に一部抜粋します。
1.Azureポータルにサインインします。
2.「すべてのサービス」から「コストの管理と請求」を選択します。
3.表示されたメニューから「コスト管理」(もしくは「Cost Management」と表示)を選択します。
4.画面左側メニューの「コスト分析」を選択します。
②CSP契約で「コスト分析」が見れないケース
残念ながら、CSPを提供しているリセラーによってはエンドユーザーからコスト分析画面が見れない場合があります。
その為、まずは契約している提供元のCSPリセラーにコスト分析画面を見られる様に出来るか、お問い合わせ頂くことを推奨します。
※CSPリセラー側でAzure Portal上にコストを表示させる設定を有効にする場合や、現在のコストを閲覧可能な何かしらの機能を提供してくれる場合もあります
一応背景としては、CSPリセラーが定価とは異なる料金でエンドユーザーに提供していたとしても、コスト分析画面上の表示はAzure小売りの定価料金での表示となってしまう為、CSPリセラー側にはエンドユーザーにコスト分析画面を表示させるメリットがない、という点があります。
どうしてもAzure Portalでコストの確認を行いたい場合は、Microsoftとの直接契約や、別のCSPリセラーとの契約に切り替える必要があります。
参考 : CSPパートナーを切り替えることができますか?
③CSP契約以外で「コスト分析」が見れないケース
まずはMicrosoft公式ドキュメントにある「サポートされている Microsoft Azure プラン」を参照し、Azureの契約がCostManagementが利用できるプランか確認してください。
※サポートされていない場合は残念ながらコスト分析画面でコストを確認することができません
サポートされているプランである場合、以下を項目をクリアしているかご確認ください。
・スコープが確認対象(サブスクリプションなど)に正しく設定されているか
・確認したいスコープに対してアカウントが適切なアクセス権限が付与されているか
基本的には確認を行っているアカウントが「Cost Management 閲覧者 (または共同作成者)」を持っていれば閲覧することが可能です。
アクセス権限とスコープは非常に複雑なため、ここで網羅的に記載することは控えさせていただきます。
詳細は契約形態ごとに以下公式ドキュメントを参照してください。
コスト データへのアクセスを割り当てる
Microsoft 顧客契約ロール
Enterprise Agreement ロール
④特定の「ビュー」が見れないケース
主に以下2つのパターンに分かれます。
(A)共有ビューが見れない場合
共有設定がそもそもされていない、もしくは該当のビューが共有されていない異なるスコープを表示している可能性があります。
ビューの作成者に問い合わせて、共有設定の見直しを依頼してください。
(B)既定のビューが見れない場合
「リソース」や「Kubernetes」ビューはスコープがサブスクリプションの場合にのみ表示されます。
スコープを確認対象のサブスクリプションに変更してください。
⑤特定の「サービス」「リソースが」表示されないケース
まずは確認したいスコープ(サブスクリプションなど)が設定されているかを確認しましょう。
その上で、特定サービスやリソースが表示されない場合は以下の可能性があります。
(A)フィルターで除外している
サービス名やリソースグループ名、タグ名などでフィルターを設定している場合は、フィルターをリセットしましょう。
(B)そもそも課金が発生していない
無料で利用できるサービスである場合や、設けられている一定の無料枠内で利用できている場合、該当リソースに購入しているRIなどの予約が適用されている場合は、該当リソースでの課金が発生しません。
課金が発生していないと、コスト分析の画面には該当リソースが表示されません。
(C)コスト情報の反映ラグ
通常Azureのコスト情報は8~24時間以内で反映が行われますが、請求期間の終了タイミングなどではコストの確定まで最大72時間を要します。
表示されない場合でも少なくとも24時間は反映を待ちましょう。
(D)表示している期間にリソースが存在しない
表示期間にリソースがコストを発生させていない場合は、コスト分析の画面には該当リソースが表示されません。
例えばAzure Virtual Desktopなどでセッションホストを置き換え、リソース名が変更された場合などには注意が必要です。
なお上記を確認した上で、利用していないサービスやリソースが表示されている場合、逆に確実に利用しているサービスのコストが表示されていないなど、明らかに表示されているコストがおかしい場合は、Microsoftのサポートにお問い合わせください。
⑥その他
どのケースにも当てはまらない場合、ブラウザの表示不具合を疑います。
別のブラウザに切り替える、キャッシュを削除する、シークレットブラウザを利用するなどで表示が変わるかを確認しましょう。
最終的にどうにもならない場合は、Microsoftのサポートへお問い合わせください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
本記事で読者の方の課題が解決した、もしくは解決のキッカケになっていれば幸いです。
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