官民を巻き込むFinOpsの波 ─ デジタル庁が推進する地方自治体へのクラウドコスト最適化の取り組み

FinOpsとは何か

FinOpsとは、「クラウドのビジネス価値を最大化」を目的とした、運用フレームワーク・文化的プラクティスです。
エンジニアリング・財務・ビジネスチームの協働を通じて財務的な説明責任、迅速な意思決定を果たします。


FinOps X Day Tokyo で語られた国の動き

2025年7月開催の「FinOps X Day Tokyo」では、デジタル庁の担当者によるセッションが行われ、以下のような国の取り組みが紹介されました。

  • FinOpsをガバメントクラウド運用に導入し、全国の地方自治体に展開する
  • 国が中心となってガイドライン整備・見積精査・運用最適化を支援する体制を構築
  • 自治体の成熟度に応じた伴走型のFinOps支援チームの設置を計画

さらに、首相官邸で行われた「デジタル行財政改革会議」にて、デジタル大臣が総理に対して「FinOps」という概念を初めて正式に説明したという報告もありました。


政府資料から読み解くFinOps導入の全体像

1. デジタル庁「標準化推進資料」(2025年6月13日)からのポイント

  • 令和7年度中に「FinOpsガイドライン」を正式に発表する予定
  • 自治体がクラウドコストを可視化し、自律的に最適化する力を育成する支援を提供
  • 既存の「コスト最適化アプローチガイド1.0」をFinOps視点で再構成・拡充

2. 内閣官房「共通基盤WG資料4」(2025年5月15日)からのポイント

  • デジタル庁内に FinOps 実践支援チームを設置し、自治体の見積精査・コスト評価を支援
  • 既に330以上の自治体と接点を持ち、少なくとも33団体の見積内容を具体的に精査
  • 各自治体から運用資料を収集し、コスト構成や高騰要因を分析中
  • 事業者と連携してアプリケーションのモダン化や仕様見直しなどによる構造的コスト軽減策を検討

今後の展望

  • FinOps 導入によって自治体のクラウド予算管理における透明性や説明責任が向上する
  • 見積の精緻化、コストの平準化、高騰抑制などが期待される
  • 自治体が自律的に運用改善の PDCA サイクルを回せる体制が整備される可能性

まとめ

FinOps は単なるコスト削減手法ではなく、クラウド活用によるビジネス・サービス価値最大化のための運用文化です。公共セクターにおいても、地方自治体のクラウド運用を持続可能かつ説明責任あるものにするための中核的手段として、その普及と定着が期待されます。


※本記事は、デジタル庁および内閣官房が公開している資料に基づき、筆者が独自に要約・再構成した内容を含みます。

出典(政府公開資料)

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