節約プラン(Savings Plan)の割引きロジックを解説!活用のポイントとは?

はじめに

Azureに「節約プラン(Savings Plan)」が登場してからしばらく経ちますが、皆さんはうまく活用できていますか?
「なんとなく聞いたことはあるけど、仕組みが複雑そうで手を出せていない…」という方もいれば、「購入はしてみたものの、使いこなせている気がしない…」という方もいるのではないでしょうか。

実際、Azureの運用やコスト支援に携わっている立場から見ても、節約プランを導入していない、あるいは導入していても十分に活用できていないお客様が多い印象です。そこで今回のブログでは、節約プランの仕組みやポイントについて改めて解説していきます。

「節約プランってどうやって割引きされるの?」という基本から、「RIと何が違うの?」といった疑問にお答えする内容まで、わかりやすくお届けします!

 

 

節約プランとは?複雑な割引ロジックをわかりやすく解説

節約プランの概要

節約プラン(Savings Plan)は、Azureの仮想マシンやApp Serviceなど一部のコンピューティングサービスを割引価格で利用できるプランです。ユーザーが設定した金額(コミットメント額)を1年または3年にわたって支払うことを条件に、従量課金制の価格よりも安い価格でサービスを利用することができます。

割引きの仕組み

コンピューティングサービスの1時間あたりの使用量(金額)が、ユーザーが設定した金額(コミットメント額)に達するまでは、割引価格(従量課金制の価格より安い価格)で利用可能です。

特に、上記「※2」として記載している部分が重要で、節約プランは利用有無に関わらず、設定したコミットメント額は必ず支払う必要があります。

 

 

ここからは、実際の利用シーンを考えて、もし少し具体的に割引ロジックを解説していきます。

例)以下2つのVMがあるAzure環境に対し、節約プランをコミットメント額100円/hで購入した場合

従量課金制では200円/hのところ、節約プラン利用により、150円/hで利用可能です!

 

内訳:
コミットメント額(100円) + コミットメント額を超えた分の金額(50円)

割引き適用ロジック:

【Step1】

コミットメント額(100円)を使い切るまでは、割引価格で利用できます

※割引率の高いリソースから優先的に割引きが適用されるため、まずはVM①に割引きが適用され、余った割引きががVM②に適用されます。

100円(コミットメント額)ー60円(VM①の1hあたりの割引価格)=40円(残コミットメント額)

40円(残コミットメント額)ー40円(VM②の0.5hあたりの割引価格)=0円(残コミットメント額)

【Step2】

コミットメント額を超えた分のリソース使用量は、従量課金制の価格になります。

VM②の0.5hあたりの従量課金制の価格=50円

 

 

RIとの比較:節約プランのメリットとデメリット

Azureの節約プランは、従来の予約インスタンス(RI)とどのように異なるのでしょうか?それぞれの特徴を以下に整理していきます。

 

これらの特徴踏まえると、RIと比較した上での節約プランのメリットとデメリットとしては以下の通りです。

節約プランのメリット

・適用対象の柔軟性
節約プランは、リージョン、サービス、サイズを問わず割引を適用できます。例えば、予約インスタンス(RI)の場合、「”Japan Eastリージョン”の”Standard B4msサイズ”の”Azure Virtual Machines”」といった購入時の条件を満たすリソースにしか割引を適用できません。しかし節約プランは、対象となるサービス内であれば、リージョンやサイズに縛られることなく割引を自由に利用可能です。この柔軟性により、リソースの変更や規模の拡大にも対応しやすくなります。

節約プランのデメリット

・割引率の低さ
節約プランの割引率は、予約インスタンス(RI)よりも低く設定されています。

・交換・キャンセルが不可
節約プランは購入後の交換やキャンセルができません。そのため、万が一サービスの利用が不要になった場合でも、契約期間中は設定したコミットメント額を支払い続ける必要があります。一方でRIは交換やキャンセルがサポートされているため、利用状況の変化に柔軟に対応することが可能です。

 

 

節約プラン導入前・導入後によくある悩み

節約プランを導入する際や運用する中で、多くの方が以下のような課題に直面しています。

導入前の悩み
「節約プランをいくら分購入すればよいのかわからない」
「自社の利用状況に節約プランが本当に合っているのか不安」

導入後の悩み
「割引を使い切れていない状態が続いている気がする」
「使用率が70%と表示されるが、これが得なのか損なのか判断できない」
「リソースを削除したら節約プランの使用率が下がり、割引が活用しきれなくなった」

 


上記の様な悩みをお持ちの場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
弊社では、Azureコスト最適化ソリューションを提供しており、節約プランに関するご支援はもちろん、Azure全体のコスト最適化支援も可能です。これまでの豊富なコスト削減実績から得たナレッジを活用し、専門のコスト最適化エンジニアが、お客様の環境に寄り添ったベストな提案を行います。

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