ユニットエコノミクスとは?Azure FinOpsにおけるユニットエコノミクスの活用

はじめに

Azureの活用が広がる中、クラウドコストの最適化を目指す「FinOps」の重要性が高まっています。
FinOpsを実践する中で必ず耳にするのが「ユニットエコノミクス」という考え方です。
本記事では、「ユニットエコノミクス」とは何か、なぜビジネスに役立つのか、Azure環境でどのように試算するかまで、初心者向けに丁寧に解説します。
 
 

ユニットエコノミクスとは?

「ユニットエコノミクス(Unit Economics)」とは、ビジネスの最小単位あたりの収益性を測る考え方です。
たとえば、「1人の顧客あたりにどれだけ利益が出ているか?」といった指標が典型です。この概念はスタートアップ界隈で2000年代に注目を集めました。資金調達を受ける際、単に売上規模ではなく「単位ごとの収益性」が問われるようになったのが背景です。
FinOpsにおいても、Azureのコストを単なる総額で見るだけでなく、「1サービスごと」「1ユーザーごと」といった単位ごとにコストと利益を細かく把握するためにユニットエコノミクスが使われます。
つまり、FinOpsでユニットエコノミクスを理解することは、クラウド投資に対して適切なリターンを出せているかを見極める武器となるのです。
 
 

ユニットエコノミクスの具体例とその意味

ユニットエコノミクスは、単位をどこに設定するかで意味合いが変わります。以下に具体例を挙げます。

・顧客単位(Customer Unit)
例)1顧客あたりにかかっているAzure利用コストと、そこから得られる売上を比較。
→ 「この顧客セグメントは利益を生んでいるのか?」が見える。
 

案件単位(Project Unit)
例)1プロジェクト(例:新規アプリ開発)あたりのAzureリソースコスト。
→ 「この案件は黒字か?赤字か?」を即座に判断できる。
 

・ユーザー単位(User Unit)
例)1ユーザーあたりに必要な仮想マシンコスト、ストレージコスト。
→ 「1人あたりいくらコストがかかっているのか」を可視化でき、料金プラン設定や収益性改善に活かせる。

 
単位を適切に選ぶことで、ビジネス上で多角的な収益性が把握でき、ビジネスジャッジにおける判断指標がそろいます。では、これらの情報はどのように半残材料となるかを次に記載します。
 
 

ユニットエコノミクスはビジネスにどのように活用される?

ユニットエコノミクスは、単に指標を出すだけでは意味がありません。定期的に計測し、意思決定に反映することで、真価を発揮します。
例えば、以下の活用方法が考えられます。
 

月次でユーザー単位コストを集計することで、プラン設計や料金改定のタイミングを探る
→どのプランが収益性が高いか/低いかを確認し、注力するプランやテコ入れするプランを特定する
 

・顧客単位でLTV(Life Time Value)を試算し、高収益顧客へのマーケティングを強化する
→どの顧客の収益性が高いか/低いかを確認し、注力する顧客、テコ入れする顧客を特定する
 

・プロジェクト単位でコスト管理表を作成し、赤字プロジェクトが早期に発見できる体制をつくる
→赤字プロジェクトを特定し原因究明・改善を行う
 

こうした判断を行う事で、結果的に、「低収益な案件・顧客を整理」「高収益ゾーンへの投資を強化」「Azureリソースの無駄遣いを早期に発見・修正」といった、ビジネスを大きく改善する行動につながるのです。
 
 

Azureにおけるユニットエコノミクスの試算方法

では、Azure上でユニットエコノミクスを試算するにはどのような方法が考えられるでしょうか。
代表的な方法を3つ紹介します。

Azureタグ運用の徹底

最もスタンダードかつ技術難易度が低い方法、その分運用面での考慮などは多いです。
VMやストレージに「Customer:●●」「Project:▲▲」などのタグを付与し、集計時の個のタグ単位で整形します。これにより後からコストを正確にユニット単位で切り出すことが可能になります。

Azure Cost Management + BIツールなどで連携

リソースごとのコストを「サブスクリプション」「リソースグループ」「タグ」単位で集計可能です。CostManagementではFOCUSを含む複数種類でのコストエクスポートが可能です。サブスクリプション単位などは、顧客単位・案件単位の収益管理に最適ですが、元々試算したい単位でサブスクリプション等を管理している必要があるため、事前の設計が必要となります。

Application Insights/Azure Monitor/AVD等 + Azure Cost Management

ユーザー向けサービスからユーザー数やアクセス数を取得し、これをコストデータと組み合わせれば、「ユーザー単位」の試算ができます。
たとえば、「あるWebアプリの月間コスト ÷ 月間アクティブユーザー数」で、1ユーザーあたりのコストを即座に可視化できます。
 
 

おわりに

FinOpsに取り組むなら、単なる「Azureコストの総額」だけでなく、ユニットごとのコストと収益性を捉える視点が不可欠です。
ユニットエコノミクスを理解し、Azure環境に適用することで、コスト意識とビジネス判断力が格段に高まります。

ただ、それでも「自社のFinOps推進が難しい」「リソースが足りない」等お困りでしたら、是非弊社のコスト最適化ソリューションをご利用ください。

無料でAzure環境を分析!
コスト削減案と想定削減金額をレポート!

毎月先着3社様限定キャンペーン実施中。
ご興味ある方は左の画像リンクから是非お申し込みください。

お客様環境を踏まえたユニットエコノミクスの試算、継続的なコスト部分での削減・管理も可能です。
現在無料キャンペーンを展開しておりAzure コスト分析のみであれば、無料でお試しできるチャンスもございます。
しかもコスト分析、ほとんどお客様側での作業が無いため、まるっと任せる形でレポートが受け取れます。
 

ユニットエコノミクスを活用するには、まず顧客単位、案件単位、ユーザー単位など、自社に合った単位、普段管理している単位から始めることがおススメです。
ユニットエコノミクスを深掘りすることは、あなたのFinOps活動を確実に次のレベルに引き上げてくれるでしょう。

いいね (←参考になった場合はハートマークを押して評価お願いします)
読み込み中...

注意事項・免責事項

※技術情報につきましては投稿日時点の情報となります。投稿日以降に仕様等が変更されていることがありますのでご了承ください。

※公式な技術情報の紹介の他、当社による検証結果および経験に基づく独自の見解が含まれている場合がございます。

※これらの技術情報によって被ったいかなる損害についても、当社は一切責任を負わないものといたします。十分な確認・検証の上、ご活用お願いたします。

※当サイトはマイクロソフト社によるサポートページではございません。パーソルクロステクノロジー株式会社が運営しているサイトのため、マイクロソフト社によるサポートを希望される方は適切な問い合わせ先にご確認ください。
 【重要】マイクロソフト社のサポートをお求めの方は、問い合わせ窓口をご確認ください