マクロを含むExcel、Access移行のベストプラクティス【2025年の崖を解決する】

✓マクロを含むExcel、Accessの移行をご検討の方

 「設計書がなく、機能がブラックボックス化している…」

 「長年使っているうちに、誰も修正できなくなってしまった…」

 「移行を考えたいけど、どう進めればよいか分からない…」

 

こういった疑問を解消できます。

 

 

✓本記事のテーマ

マクロを含むExcel、Access移行のベストプラクティス【2025年の崖を解決する】

 

2018年に経済産業省がまとめたDXレポートで示された『2025年の崖』。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を訴える言葉ですが、今年、その2025年を迎えました。

DXの足かせとなっている要因として「レガシーシステム」が挙げられます。同レポートでは、レガシーシステムを以下のように定義しています。

レガシーシステムとは、技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化等の問題があり、その結果として経営・事業戦略上の足かせ、高コスト構造の原因となっているシステム。

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

本記事ではレガシーシステムの例として、マクロを含むExcel、Accessを挙げ、レガシーシステムの刷新(=モダナイゼーション)手法について解説いたします。

 

なお、弊社が提供しているモダナイゼーション支援サービスに対して、

日本マイクロソフト株式会社 (本社:東京都港区、以下日本マイクロソフト)パートナービジネス本部 副統括本部長 岡 寛美さまよりエンドースメントをいただいております。

日本マイクロソフトは、「モダナイゼーション支援サービス」の提供開始を心から歓迎いたします。
パーソルクロステクノロジー株式会社の専門知識とMicrosoft Power Platformを組み合わせることで、お客さま社内に残るマクロデータやレガシーシステムのモダナイゼーションを支援し、効率的かつ柔軟な業務運営の実現とともに人材不足の解消にも貢献します。
今後も日本マイクロソフトは、パーソルクロステクノロジー株式会社と共に、企業の未来を切り拓くための革新的なソリューションを提供し続けたいと考えております。

 

 

マクロを含むExcel、Accessの懸念

ExcelやAccessの機能拡大のためマクロを使って作業の自動化をすることは、業務効率化を図る手段のひとつとして挙げられます。

しかし、以下の3つの観点で懸念があるのも事実です。

属人化

マクロを使って作業の自動化ができている現状をみると問題ないかもしれません。

その一方で、長期的な目線で見たときに、マクロ作成者が異動や退職等でいなくなってしまう場合もあります。当たり前ですが、別の方がマクロの運用を引き継ぐことがよくあるかと思います。

この時に問題となるのは、引き継いだ方がマクロを修正をしたい場面です。新業務・新法令への対応や新しいビジネスニーズのための対応などが考えられます。

 

「どんな機能を構築したのか」

「どんな設計なのか」

「どこを変更すればよいのか」

 

設計書が無い状態やプログラムのソースが分かりにくい場合、上記を理解するのは困難を極めます。

結果、修正をできたとしても対応の遅れやさらなるブラックボックス化を招いてしまいます。

最悪の場合、今までできていた作業の自動化ができなくなってしまうこともあるでしょう。

 

セキュリティ

Excelマクロのシステムでは、OfficeやExcelのバージョンアップにより古いバージョンでは機能していた処理が動作しなくなる場合があります。

Accessのシステムでもバージョンアップに伴う、処理動作の確認や検証が必要になります。

こういった影響があるため、古いバージョンのまま利用し続けてしまうこともあるかと思います。

しかし、古いバージョンのソフトウェアはMicrosoftのサポート終了に伴い、新機能の追加や修正、セキュリティ更新を提供されません。

2025年1月時点における、Microsoftからの情報ではOffice 2019バージョンの延長サポートが2025年10月14日で終了します。

サポートが終了されたソフトウェアを引き続き使用することもできますが、セキュリティや互換性で問題が生じてしまうことで、仮に属人化していなくても改修ができない状況になりかねないです。

 

メンテナンスコストの増大

この懸念は、レガシーシステムの定義そのものにあたります。

上記で述べた属人化やセキュリティの問題が尾を引き、修正のための時間コストが増え、通常業務が滞り生産性が著しく低下してしまいます。その結果、企業の大きな損害につながりかねません。

つまり「作業の自動化をして業務効率化を図る手段」であったマクロが、生産性を下げる大きな要因になってしまうのです。

 

このような懸念は、業界に関わらずどの企業にも起こり得ることです。

そのため『2025年の崖』として、レガシーシステムの刷新やDXが推進されています。

 

ここまでで、マクロを含むExcelやAccessの懸念や刷新の必要性を少しでもご理解いただけたかなと思います。

では、マクロを含むExcelやAccessを刷新・移行するにあたって、何をどのように検討すればよいのでしょうか。

 

刷新・移行のベストプラクティス『Power Platform』

Microsoft社が提供するPower Platformは、データの接続、分析、カスタムアプリケーションの作成、自動化されたワークフローの構築ができる統合プラットフォームです。

上図のように大きく5つの製品に分かれています。そのうち、マクロを含むExcelやAccessの移行には主にPower Apps、Power Automate、Power BIを使用することが考えられます。

 

ここで「ExcelやAccessにあるデータはどうするのか?」と疑問に持つ方もいらっしゃるかもしれません。

Power Platformは、ExcelやSharePointのようなMicrosoft製品との親和性も高くMicrosoft製品以外のデータベース製品との接続も可能になります。Accessの中にあるデータベースは、SharePointやDataverseへ移行をすることでPower Platform製品との連携が可能になります。

さらにPower Platformは、ITの専門的な知識を多く要する必要がない「ローコード開発」が可能のため、DX人材の育成促進にもつながり、属人化の解消にもつながります。

加えて高度なセキュリティ性を持っています。アクセス者の役割に応じた権限設定など、企業のセキュリティポリシーにあった細かい設定することが可能です。

 

 

Power Platformへの移行ポイント

最後にPower Platformへ移行する際に、検討するべきポイントを3つ整理します。

システム全体像の明確化

はじめに考える必要があるのは、対象のシステムにどんな処理や機能があるのかということです。いわゆる要件定義にあたります。

合わせてデータベースや別のサービス・製品との連携があるかどうか、処理の流れ、システムを利用する人や組織を洗い出します。

 

Power Platformへの最適化設計

洗い出した要件をもとに、Power Platform開発のための設計を行います。

現状の業務から改善できる部分を洗い出し、どの機能をどのPower Platform製品を使用して実装していくかを検討します。

合わせて、マクロを含むExcelやAccess内で管理していたデータをどこに格納させるかも検討が必要です。データ量や実施したい機能、データ権限に合わせた選択が大切になります。

 

Power Platformによる持続的なシステム運用

Power Platformは開発と運用が可能な統合プラットフォームです。1つの業務を移行して終わりでなく、Power Platformの接続性を活かして周辺業務の効率化にも着手できるようになります。

また、Microsoft社が最も力を入れているAzure(クラウド)やCopilot(生成AI)といった最新技術を使える環境ともいえるので、中長期的な目線で機能の修正や追加にも対応がしやすくなります。

 

 

弊社はクラウドの黎明期の2010年よりMicrosoftソリューションを提供しており、Microsoft社が開催するAwardに毎年選出される実績を有しています。加えて、Power Platform初心者の方でもメンテナンスできるようなオンボーディングトレーニングや保守サポートを準備しています。

 

 

まとめ

 

・業務効率化を進めていたマクロが、逆に生産性を下げてしまいかねない現状

・その現状を乗り越えるベストプラクティスのひとつが『Power Platform』

・Power Platform移行により中長期に渡り、持続的なシステム運用が可能

 

『2025年の崖』と言われ、ついにその年になりました。

しかし、DXは2025年までの問題ではありません。企業にとっては今後も永く向き合う問題です。

組織の生産性向上に向けて、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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