はじめに
Azure Virtual Desktop環境を構築時、GPUを搭載したマスターイメージ作成方法について説明します。
前提条件
AzureADは必須で、オンプレ環境のADと同期して展開する方法もあれば、AzureADDSと同期して展開するする方法もありますが、 今回は同期する部分について省略します。 またVM作成時にサイズをNVシリーズを選択する必要があります。
GPU搭載マスターイメージ作成方法
①VM作成後、Azureポータルで該当仮想マシンを選択して左メニューから「拡張機能とアプリケーション」を選択
②「NVIDIA GPU Driver Extension」を選択
③「確認と作成」を選択
④「作成」を選択
⑤追加されていることを確認
⑥VMに接続し、ローカルグループポリシーで以下3個を設定
場所:コンピュータの構成>管理用テンプレート>Windowsコンポーネント>リモートデスクトップサービス>リモートデスクトップセッションホスト>リモートセッション環境
⑦グループポリシーを更新
⑧「デバイスマネージャー」に「NVIDIA」から始まるディスプレイがあることを確認後、ダブルクリックして開く
⑨「ディスプレイ」タブを選択後、「情報をすべて保存」を選択するとテキストファイルが保存されますが、中に「NVIDIA」から始まる名前があればOK
⑩管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「nvidia-smi」を入力して実行して以下画像と同じ表が表示されていることを確認
NVIDIA拡張機能が正常に設定できなかった場合、表は表示されません。
⑪最後にコマンドプロンプトに「nvidia-smi.exe –fdm 0」を実行してWDDMモードに変更
実行失敗した場合、ドライブが間違えてないか確認してください。
補足ですが、WDDMモードはグラフィック処理用で、もう一つのTCCモードは計算用となります。
今回は画像処理がメインの前提で設定をしている為、WDDMモードにしています。
⑫設定完了したら以下ベンチマークからパフォーマンス確認ができます。
http://webglsamples.org/aquarium/aquarium.html
注目すべきところは、左上の「FPS」の値です。 FPSとは1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかの数値ですので高いほど性能が良いことになります。
最後に
リモートセッションでFPSが30まで制限されているので制限解除しないとパフォーマンスに影響します。
以下公式ドキュメントから制限解除設定を行ってください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/windows-server/remote/frame-rate-limited-to-30-fps
設定終わったら再度上記ベンチマークでFPSが30以上であるか確認する必要があります。
ここまで終わりましたらその他必要な設定後、Sysprepを実行してマスタイメージ作成ができます。
以上です。
※本記事でデプロイした仮想マシンにてGPUのメトリックを確認するための方法を記事にしました。
是非ご確認ください。
https://cloudsteady.jp/2023/12/28/75928/