[CAF]デジタル資産の合理化

この記事は更新から24ヶ月以上経過しているため、最新の情報を別途確認することを推奨いたします。

はじめに


CAFの計画フェーズにおいて最初に実施する “デジタル資産の合理化” について解説していきます。 “デジタル資産の合理化” の意味するところとしては「企業が所有するデジタル資産、すなわちIT資産のコレクションをクラウドに持っていくこと」となります。
計画フェーズのため、上記の計画を立てることがこの記事で説明する”デジタル資産の合理化”のゴールになります。計画フェーズ全体の流れは次の通りです。本記事では以下の”デジタル資産の合理化”について説明していきます。

【計画フェーズの流れ】
1.デジタル資産の合理化
2.スキルの準備、チームの作成
3.クラウド導入計画の作成

【注意】
本記事はCAFの公式ドキュメントに記載されている以下デジタル資産に関する情報を独自に解釈してなるべく分かりやすく記載したものになります。そのため公式ドキュメントの内容とは異なる箇所もありますのでご注意ください。

デジタル資産とは
デジタル資産計画の手法
デジタル資産のインベントリ データを収集する
デジタル資産の合理化

前提

計画フェーズの前に実施する戦略フェーズで”ビジネス成果”が定まっていることが前提となります。またオンプレミスの各ワークロードが将来的にクラウドでどのような状態が適しているかを示す”合理化の5R”について知識を得ておく必要があります。
計画フェーズに取り掛かる段階で具体的にクラウド化したいワークロードが定まっている必要はありません。途中で最初にクラウド化する最小構成のワークロードを決定します。

ビジネス成果と合理化の5Rについては以下を参照してください。
ビジネス成果について
合理化の5R

デジタル資産の合理化の全体像

次のステップで実施していきます。

1.インベントリの収集
組織が所有するデジタル資産を収集してリストを作成します。

2.移行対象のワークロードを選定
作成した目録をもとにクラウド化する対象とするワークロードを決定します。

3.合理化方針(5R)を決定
選定したワークロードの合理化方針(5Rのうちどれを採用するか)を決定します。

1.インベントリの収集

どのようにして収集するのかというと、Azure Migrate(※)を利用します。Azure Migrateでは組織内の仮想サーバーや物理サーバーを検出することができますので、それをインプット情報にしてインベントリを作成していきます。Azure Migrateはエージェントレスソリューションのため、エージェント導入の手間を省略可能です。
全てのデジタル資産を収集する場合は膨大なデータ量になるため、CAFでは最低限稼働できるものだけを収集することが推奨されています。ただし最低限の稼働状態であることを判断するためにはその資産の依存関係を把握している必要があります。この調整に時間がかかるようであれば、後続の”3.合理化方針(5R)の決定”で改めて検討するでも問題ないと考えます。

リストには 戦略と計画テンプレート の計画に記載されている”Degital Estate”を参考にしてみてください。

※Azure Migrateを利用するためにはAzureサブスクリプションが必要となります。そのためAzureに何を構成するか決定していない状態であったとしてもAzureサブスクリプション自体の用意は予め必要となります。なおAzureサブスクリプション用意するだけで、何もリソースを作成しないのであれば課金は発生しません。

2.移行対象のワークロードを選定

「戦略と計画テンプレート」のリストに具体例を記入して説明していきます。

アプリケーション/ワークロード事業部門ビジネスの優先順位合理化案
商品販売用のWebアプリケーション販売管理部門リホスト
ユーザー登録情報管理用のデータベースサーバー販売管理部門リファクター
問い合わせ対応用のメールサーバーユーザーサポート部門リプレイス

項目が少ないですがこのようにリスト可した場合には各ワークロードに対して優先度をつけていきます。この優先度付けは戦略のビジネス成果に基づいて決定していきますが、最初の移行ではなるべく現行のビジネスへの影響が少ないものをピックアップするべきです。CAFでは10のワークロードを選定すると記載されていますが、スケジュールに余裕があるのであれば2つか3つ程度をまずは試してみるのも良いのではないでしょうか。

3.合理化方針(5R)を決定

上の表の「合理化案」に記載したように、各ワークロードを5Rのどれにするかを決定していきます。こちらもビジネス成果に基づいて決定していきます。
この際にある程度Azure上でどのような構成とするか、アーキテクチャー案を考える必要があります。アーキテクチャー案を検討することでAzureの料金を試算することができます。また5Rはビジネス成果により決定しますが、必ずしも選択した合理化案が適さない場合があります。現実的にはまずリホストから入りますので、リホスト以外の合理化案である場合には得にアーキテクチャー案を考えて実装面での実現性も併せて確認するとよいでしょう。

おわりに

改めてとなりますがCAF公式ドキュメントのデジタル資産に関する記事を、分かりやすくまとめたのが本記事になります。この記事に記載したことがCAFにおける正解というわけではないため、その点ご留意ください。

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