Cloud Adoption Framework 導入(イノベーション)の概要

はじめに

前回の記事はCloud Adoption Framework(以下CAF)の”準備”について以下の内容を記載しました。

  1. Azureセットアップガイドの確認
  2. ランディングゾーンの選択
  3. Azureランディングゾーンの展開
  4. ランディングゾーンの変更を検証

今回の記事では”準備”の次に実施する”導入”について記載していきますが、
この導入には、大きく「移行」と「イノベーション」の2つに分類することができます。今回はイノベーションに特化して記載していきます。

イノベーションでは、実際にクラウド上でシステムを導入していく際のノウハウが記載されています。

本記事では、イノベーションを発生させるための具体的な手順ではなく、心構えというところに焦点を当てて、CAFのイノベーションを紐解いていきたいと思います。


前回同様に全体概要を把握するための内容となっておりますのでその点は予めご了承ください。

詳細についてはの公式ドキュメントをご確認ください。

イノベーションとは

“イノベーション”では、”準備”が完了した後の、新しいクラウド ネイティブ ソリューションまたはハイブリッド ソリューションを開発するフェーズにあたります。

実際にワークロードをAzureに導入しビジネス価値を最大限に高めるにはイノベーションを起こすことが必要です。クラウドの良さを最大限に活かすために、「新しい技術スキルの獲得」「拡張されたビジネス機能の利用」を通じて、クラウドネイティブなマインドを育みましょう。というのが、マイクロソフトがイノベーションで伝えたい内容であると私は理解しています。

それでは早速みていきましょう。

イノベーションの方法論

難しいことを長々と説明する気はありません。手っ取り早くマイクロソフトの公式ドキュメントを参照してみましょう。

考慮事項の概要では、アプリケーション開発、DevOps、IT、ビジネスのチーム全体でのイノベーションにおける共通言語が確立されています。 次のアプローチは、既存のリーン手法に基づいて構築されています。 この目的は、顧客の導入についてクラウド志向の会話を行い、ビジネス価値を生み出すための科学的なモデルを作成できるよう支援することです。 また、このアプローチでは、既存の Azure サービスを管理可能な意思決定プロセスに対応付けます。 この調整は、特定の顧客のニーズや仮説への対処に適した技術的なオプションを見つけるのに役立ちます。

イノベーションの概要
革新的なクラウド導入フレームワークのメソッド
Start with customer adoption

重要な点は「既存のAzureサービスを管理可能な意思決定プロセスに対応づける」という点であると私は理解しています。ある1つの機能をAzureで実装する場合には、大抵複数の選択肢から何かを選ぶことになります。この意思決定プロセスがしっかりと確立されていないと、とても管理しきれないほどぐちゃぐちゃな環境ができあがってしまいますし、弊社はそのようなお客様を実際にいくつか見てきました。

仮設を立てて構築し(Build)、その仮説を検証し(Measure)、その結果を元に新たに仮説を立て実行に移していく(Learn)という考え方がイノベーションでは大切になってきます。

イノベーションの公式

また、公式ドキュメントの言葉をお借りします。

イノベーションは劇的な変化をもたらすものや、抽象的でとらえにくい何かというわけではありません。イノベーション = 発明 + 採用という公式で表すことができます。

イノベーションは、発明と採用が交わるところで発生します。 真のイノベーションは、新しい手法、新しいプロセス、新しいテクノロジを介して人間の体験がゆっくりと調整されることで生まれます。 この公式では、イノベーションとは、顧客のニーズに応える新しいソリューションの創造を意味します。 反対に、採用とは、新しいソリューションを適用して人間の行動ややり取りを形作ることです。 発明と採用の間で正しいバランスを見つけるには、イテレーション、データに基づく意思決定、絶え間ない学習、成長志向が必要です。 現代のデジタル社会で学習する数え切れない機会について行けるテクノロジも必要です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/cloud-adoption-framework/innovate/considerations/#formula-for-innovation

私は初めてこれを読んだ時、概念的な話であり要点を掴みかねました。ここでの筆者の伝えたいことは、発明と採用のどちらか一方しか満たされていない状態ではイノベーションが発生しないということでると私は理解しました。

いけてる新しいシステムを導入する(発明)だけで課題は解決しません。

机上で組織の体制をあれこれ考えている(採用)だけで課題は解決しません。

課題を解決するために、顧客のニーズに応えるシステムを発明し、それを活かせる新たな仕組み(組織の在り方や行動)を採用していくことで、イノベーションが発生するということです。

ここまでイノベーションの概要について記載してきましたが、ここからは「新しい技術スキルの獲得」、「拡張されたビジネス機能の利用」としての具体例をご紹介していきます。

新しいビジネススキルの獲得

まず最初に、なぜ新しいビジネススキルを獲得するべきなのかという疑問に対しては、いくつか回答があります。下記に示すのはその中の一つです。

クラウドサービスとはある領域をクラウドサービス事業者が管理し、それをサービスとして享受できるものです。IaaS, SaaS, PaaSといった、xxx as a Serviceという言葉でみなさんもご存知のことかと思います。

クラウドサービス事業者のマネージドサービスを活かすことによって、私たちは必要な時だけサービスインできますし、なにか問題が発生した際には同等な環境を迅速に用意することもできます。そのため、クラウドのシステム開発スピードは従来より早くすることが可能であり、顧客の要望に対して即座に対応できるというのがメリットといえるでしょう。この恩恵を授かるために、私たちは新しいビジネススキルを獲得する必要があると言えます。

ここでは例として2つ取り上げます。

  • カスタマーフィードバックの準備
    革新的な新しいソリューションを構築するために、テスト、改善、仮設、検証のステップを踏む必要があるかと思います。このテストには「定量的(テストからのフィードバック)」と「定性的(顧客からのフィードバック)」の2種類が存在します。このフィードバック環境として、オープンソース ソフトウェアのGitHubでソリューションの共有リポジトリを作成したり、Azure Boardsでバックログ管理できるスキルが必要です。
  • アプリケーションを介したカスタマーエンゲージメント
    クラウドネイティブなアプリケーションはクラウドの規模やパフォーマンスに合わせて最適化することができます。ほとんどの場合マイクロソフトのマネージドサービスを組み合わせることでしょう。Azure Kubernetes Services、Azure Container Instances、Web App for Containers などのコンテナーのマネージドサービスや、Azure Functions や Azure Logic Apps などのサーバーレス テクノロジのスキルを獲得することによって、インフラストラクチャのデプロイと管理ではなく、アプリケーションの構築に集中できます。

さらに詳細を確認する際には下記のページをご確認ください。

拡張されたビジネス機能の利用

私たちはビジネススキルの獲得だけでなく、クラウドシステムより享受できる拡張されたビジネス機能を利用していく必要があります。なぜなら私たちのスピードに対して、顧客も追従できるようにフォローしていく責があるからです。

ここでは例として1つ「フィードバックループ環境の準備」を取り上げます。

真のイノベーションは、顧客の共感を示すソリューションを構築し、それらの変化が顧客に与える影響を測定し、顧客と共に学習するという、難しい作業から生まれます。 最も重要なのは、それは複数のイテレーションにわたるフィードバックから得られるということです。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/cloud-adoption-framework/innovate/considerations/adoption
  • フィードバックループ環境の準備
    実際に仮説を定義した後、MVPを迅速に作成することによって顧客から直接フィードバックを得られる環境を準備します。
    MVP とは、”顧客と共に” 学ぶことができる十分なソリューションを作成するために必要な最小の作業単位 (発明、エンジニアリング、アプリケーション開発、またはデータ アーキテクチャ) です。

さらに詳細を確認する際には下記のページをご確認ください。

おわりに

“イノベーション”ではAzureのクラウド環境に一からシステムを構築する場合に、どのようなことを心掛けるべきかということを学びました。

次回はCAFのライフサイクルのガバナンスについて記事を記載予定です。

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