Exchange Online外にあるドメインから会議室のカレンダーの閲覧/予定作成を行う

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はじめに

こんにちは。
パーソルプロセス&テクノロジーの永井です。
今回はExchange Online(Microsoft365)以外にあるドメインのメールアドレスを使用するユーザーを招待して、
会議室のカレンダー閲覧、予定の新規作成・返信を行う方法を紹介します。

概要

Microsoft365ドメイン以外のメールアドレスを使用するユーザーと会議室のカレンダーを共有する場合、
方法としては<インターネット公開予定表>が近いものになります。
[インターネット予定表の発行の概要]
https://support.office.com/ja-jp/article/-a25e68d6-695a-41c6-a701-103d44ba151d


外部システムとインターネット公開予定表を共有する場合は Exchange 管理センターで、
[組織]>[個別共有]>[既定の共有ポリシー] がオンになっていることが必要です。

しかし、インターネット公開予定表のアクセス許可レベルにおいては、
通常の予定表のアクセス権限と異なり、共有されたカレンダーの詳細情報の閲覧までが可能な動作になります。
共有されたカレンダーから予定アイテム作成や編集は出来かねる動作になります。
そのため、テナント内の会議室に予定アイテムを新規作成したい場合は、下記の手順で実現可能です。


①テナント内の該当会議室に対して、外部システムからの予約を許可する設定をします。
②外部システムを使用するユーザーから場所をテナント内の該当会議室にして、会議出席依頼メールを送信します。
※ 外部システムの会議出席依頼メールのフォーマットが、Microsoft 365 の Exchange Online で使用できない可能性もありますのであらかじめご了承ください。
 なお、Microsoft 365のExchange Onlineで使用できる外部システムのフォーマットについては公開情報はなく、実際外部システムからの会議出席依頼メールを受信してから確認を行っていただく必要があります。
③外部システムから受信した会議室出席依頼メールをのフォーマットが使用可能でしたら、会議室のカレンダーに予定アイテムが作成されます。

 

WindowsPowerShellにてインターネット公開予定表の共有 URL を発行する方法

※なお、共有URLでは閲覧を行う外部ユーザーのアクセス制限を行う機能はないので、発行されたURLの取り扱いには注意してください。

共有 URL の発行手順
Office 365 サービスへ接続した Windows PowerShell にて以下のコマンドレットを実行します。
<参考サイト>
[Exchange Online PowerShellへの接続]
https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/exchange-online/connect-to-exchange-online-powershell/connect-to-exchange-online-powershell?view=exchange-ps


①共有 URL の有効化
<基本構文>
Set-MailboxCalendarFolder <共有する予定表のメールアドレス>:\予定表 -PublishEnabled $True -DetailLevel <公開する予定表の詳細レベル>
※ DetailLevel : 公開する予定表の詳細レベルを指定します。
 AvailabilityOnly : 空き時間情報のみ (時間だけの予定表の空き時間情報)
 LimitedDetails : 詳細情報の一部 (時間、件名、場所を含む予定表の空き時間情報)
 FullDetails : 詳細情報 (時間、件名、場所、役職などの予定表のすべての予定情報)
※DetailLevelには、メールボックスに割り当てられている共有ポリシーの共有ルールにある “Anonymous” に指定されている詳細レベルを超えた指定はできません。
<コマンドレットの実行例>
Set-MailboxCalendarFolder Room01@contoso.com:\Calendar -PublishEnabled $True -DetailLevel FullDetails

 

②共有 URL の確認
<基本構文>
Get-MailboxCalendarFolder <共有する予定表のメールアドレス>:\Calendar | fl

<コマンドレットの実行例
Get-MailboxCalendarFolder Room01@contoso.com:\Calendar | fl

<実行結果の例 (一部抜粋)>
RunspaceId : 2xxxxxx4-5xxf-4xx5-axxc-4xxxxxxxxxx0
Identity : Room01:\Calendar
PublishEnabled : True
PublishDateRangeFrom : ThreeMonths
PublishDateRangeTo : ThreeMonths
DetailLevel : FullDetails
SearchableUrlEnabled : False
PublishedCalendarUrl : http://outlook.office365.com/owa/calendar/exxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxc@contoso.com/
3xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx2/calendar.html
PublishedICalUrl : http://outlook.office365.com/owa/calendar/exxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxc@contoso.com/
3xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx2/calendar.ics
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※[PublishedCalendarUrl] はカレンダーの表示用 URL (.html)、[PublishedICalUrl] は予定表の購読用URL(.ics) になります。
※上記の実行結果の例のように、URLが途中で改行されている場合がありますので、注意してください。

 

会議室の外部システムからの予約を許可する設定方法

予定表の直接編集などはできませんが、Windows PowerShellでProcessExternalMeetingMessagesを設定することで、外部システムからメールによる会議出席依頼の送信が可能となります。

①設定値の確認するコマンドレット
<構文>
Get-CalendarProcessing -Identity 設定を施したい会議室のメールアドレス | select Identity,ProcessExternalMeetingMessages

<実行例>
Get-CalendarProcessing -Identity room@contoso.com | select Identity,ProcessExternalMeetingMessages

<実行結果例>
Identity ProcessExternalMeetingMessages
——– ——————————
room False

②外部からの予約を許可するコマンド
<構文>
Set-CalendarProcessing -Identity 設定を施したい会議室のメールアドレス -ProcessExternalMeetingMessages $True

<実行例>
Set-CalendarProcessing -Identity room@contoso.com -ProcessExternalMeetingMessages $True
※外部からの会議出席依頼メールによる予約が可能となることで、会議室メールボックスのメールアドレスを知るユーザーであれば、
 想定外のユーザーに関しても、会議出席依頼メールによる会議予約が可能となる動作となります。

 

上記の設定が完了したら、外部システムのユーザーからの会議出席依頼メールを送信して、Exchange Onlineで使用可能かをご確認ください。

 

参考情報

[Set-CalendarProcessing]
https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/exchange/mailboxes/Set-CalendarProcessing?view=exchange-ps
上記公開情報の Example7にProcessExternalMeetingMessagesをFalseとするコマンドレットの例が記載されておりますので、あわせてご確認ください。

[Get-CalendarProcessing]
https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/exchange/mailboxes/Get-CalendarProcessing?view=exchange-ps

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